蹴球探訪
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【コラム 撃戦記】質より興行ビジネスを優先 世界戦の“投了”は増えそうだ2017年11月15日 紙面から 囲碁や将棋で一方が負けを認めて勝負を終えることを、辞書では「投了」とある。ボクシングの世界戦でこの“投了”試合が続いた。 9月のWBOスーパーフライ級タイトルマッチで米国デビューを飾った井上尚弥(大橋)と同級7位アントニオ・ニエベス(米国)とのV6戦。10月にはWBAミドル級王者アッサン・エンダム(フランス)と村田諒太(帝拳)の再戦。井上も村田も序盤から攻撃的に攻め、ワンサイドの展開になった。井上は6回、村田も7回終了のTKOで試合を終えた。共通していたのは、中盤を終えて勝てないと悟った相手が続行を放棄したことだった。致命的なダメージを避けて再起の余力を残したかったのだろう。 ボクシングは団体が乱立し、日本でも世界主要4団体をメジャー団体に認めた。挑戦者資格も10位から15位に緩和。質より興行ビジネスを優先するようになった。それに輪を掛ける日本ボクシングコミッション(JBC)の新たな地域タイトル承認だ。かつてはランク1位を目指し、指名挑戦権を得るのに必死だったが、今は必要が薄れた。残念だが世界戦の“投了”は増えそうだ。 (格闘技評論家) PR情報 |