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【田村尚之のロジカルゴルフ】

270ヤードも夢じゃない!田村式飛距離の秘密1

2017年4月20日 紙面から

 172センチ、65キロ。中肉中背、いやむしろ平均的な日本人よりも細い田村尚之プロが、270ヤードを超えるビッグドライブを出せるのは、今どきのドライバーの能力を最大限に引き出せるから。かつての重くて小さなドライバーから、軽くて長くなったドライバーだからこそ、遠心力を使えば、誰もが240ヤードの飛距離は出せると、田村さんは言う。 (構成 青山卓司)

道具進化で横振りに

(左から右へ)田村プロのスイング。突っ立ち気味で、かかと体重を維持する

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 かつてと比べて、最も進化(変化)したクラブの1つに、ドライバーがあります。パーシモン(木製ヘッド)のころと比べて、シャフトは4インチも5インチも長くなり、それに反比例するように重量はずっと軽くなり、さらにヘッドの容積も倍ほどに大きくなりました。

 クラブが重かったころは、高いところから、低いところにクラブを落として、その位置エネルギーで飛ばすことができました。しかし、これだけシャフトが長くなると、スイングプレーンはほとんど横になります。縦振りの要素はなくなり、横振りで飛ばさなければいけなくなりました。

 道具の進化によって、スイングそのものが変わったのです。横振りで遠くに飛ばすためには、重さではなく遠心力を使うしかありません。遠心力でスイングスピードを高め、飛距離を出さなければいけません。

(左)つま先に体重があると安定せず、膝も前に出る。遠心力にも負ける(右)ハンマーを投げる寸前の室伏広治。後ろにのけぞって投げる

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 だから棒立ちがいいのです。遠心力に負けずに、体の軸を安定させるためには、かかとに体重を乗せることが大切なのです。つまり遠心力に負けない、安定した体勢にしなければならないのです。ほかのスポーツを例にとりましょうか。綱引きでも、ハンマー投げでも、およそ引っ張り合うスポーツをする時、人はかかと体重にして、決して前傾姿勢は取りません。投げる瞬間に前傾姿勢でハンマー投げをする人を見たことがありますか。かかと体重にして、体にかかるG(重力加速度)に耐えるように投げていますよね。

インパクトは一直線

 ドライバーも同じなのです。ドライバーもインパクトの瞬間はヘッドと体で引っ張り合いをつくらなければなりません。これが遠心力です。クラブフェースがボールに当たる直前、クラブフェース、シャフト、グリップは一直線になって、引っ張り合っていなければいけません。この引っ張り合いに耐える姿勢こそが、棒立ちのかかと体重です。

体のひねり必要ない

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 ハンマー投げが回転運動であるように、私のスイングも回転運動です。「小さく前にならえ」でアドレス。そのまま「右向け右」でバックスイング、戻ってインパクト、「左向け左」でフィニッシュです。必要なのは体の回転であって、ひねりではありません。よく言われる、アドレスでは股関節から前傾し、その前傾の角度を変えないように、トップで右の股関節に体重を乗せて、フィニッシュで左の股関節に体重を乗せろって教え、聞いたことがあると思います。プロのように体に柔軟性があって、力もあって、練習時間も豊富にある人なら、それも可能かもしれません。

 時間もない、体も硬い、それほど力もないのなら、体に無理な動きはしないほうがいいです。長くゴルフを楽しむのなら、体の動きに無理のないスイングがいいと思いませんか? わたしはこれまでゴルファーの職業病とも言われる腰痛を経験したことがありません。なぜならばスイングに無理がないからです。すっと立って、かかと体重でひねらずに回転で飛ばすスイングでも、270ヤードの飛距離が出せますよ。

 ▼田村尚之(たむら・なおゆき) 1964(昭和39)年6月24日生まれ、広島県廿日市市出身の52歳。172センチ、65キロ。ゴルフが趣味だった父の影響で3歳から始める。修道中では関西ジュニア優勝。修道高を経て、東京理科大卒。マツダに就職し、本格的にゴルフ競技を再開。2001年に鉄工関連の会社に転職。07年日本アマ準優勝。13年のプロテストに合格し、14年からシニアツアーメンバーとなる。16年富士フイルムシニアチャンピオンシップでツアー初勝利を飾った。

 取材協力 ムーンレイクゴルフクラブ市原コース(千葉県市原市新生603)(電)0436(37)8855

(毎週木曜日の紙面に掲載。紙面では他に「ドクター湯浅のスポーツサイエンス」も掲載しています。)

 

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