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【高山忠洋のツアープロはこう打ってる】「元球児あるある」スライスの癖こう直した ボール3つ並べて真ん中打つ2018年4月12日 紙面から 高山忠洋プロは、高校まではバリバリの球児。甲子園を目指して、和歌山県の強豪校で汗を流していました。夢破れてプロゴルファーになることを志した時、困ったのが、スライス。バッティングの癖が直らず、スライスしか打てませんでした。それを直した練習場での工夫を、紹介しましょう。 (取材・構成 青山卓司) 隣の隣に飛んだ…野球をやっていた私にとって、スライスの克服は避けて通れない難問でした。野球経験者ならわかると思いますが、野球の打撃では、ボールを打ちにいきます。投手が投げたボールが近づいてきて、自分のタイミングで打ちにいき、当てます。 それをゴルフにあてはめるとどういうことになるでしょうか。打ちにいくということは、体が右から左に動くということです。野球のボールは遠いところから、動いて近づいてきますが、ゴルフのボールは動きません。ボールは動かないのに、体は動く。その動きの中でクラブでボールを打つためには、体を開くしか選択肢がありません。体を開いて打つと、クラブの軌道はほぼアウトサイドからインサイドに入ってきます。これがアウトサイドインという軌道です。典型的なスライスのスイング軌道です。 なまじ力だけはあるから、最初はハンパなくスライスしました。ゴルフ場にいったら、隣のコースを通り越して、さらに隣のコースまで打ち込んだことがあります。 スライスに悩んでいらっしゃる方に説明すると、スライスの要因は、基本的に3つしかありません。まず軌道。アウトサイドインの軌道だとスライスになります。打ち出しから左に出て、右にスライスをしていく軌道がそれです。そしてフェースの向き。フェースが開くと、スライスになります。これは打ち出しがほぼまっすぐで、その後、右にスライスしていく軌道です。最後はその両方。アウトサイドインでフェースが開くと、いわゆる「ど」がつくスライス、どスライスになります。ブーメランのように、左に出て、激しく右に曲がっていく軌道ですね。
15センチ間隔 段々短く
まず私は、軌道を直そうとしました。そのために考えたのが、3つのボールを置いて振るというごく原始的な練習方法です。ボールを3つ並べます。体に一番近いボールを最も左に置きます。次に真ん中のボールを15センチほど離して、少し遠くに置きます。スタンスの真ん中くらいにしてください。さらにもう1つ、右斜め後方にボールを置きます。 クラブは特に指定はないのですが、7番か6番アイアンでいいでしょう。インサイドから振らないと、クラブヘッドが一番右のボールに当たったり、一番左のボールに当たったりします。 きちんと真ん中のボールだけを打てるように練習してください。ボールとボールの間隔は、最初はあまり近づけないほうがいいでしょう。慣れてきて、真ん中のボールだけを打てるようになったら、少しずつ距離を短くしていってください。真ん中のボールだけを打てるようになったら、正しい軌道になっているはずです。それでもまだスライスする人は、原因は1つだけ。フェースが開いているからです。
ミット寸前を打つフェースが開く原因もいろいろありますが、まずは腕が動きすぎて、打つ前にボールを追い越してしまっている場合、フェースは開いてインパクトを迎えます。私の場合はこれでした。この動きも、野球の時に身に付いた悪い癖でした。 どうすればこの動きを直すことができるのか、悩みました。その末にたどりついたのが、これもまた野球からヒントをもらいました。意識として、キャッチャーミットに入る寸前のボールを、ゴルフクラブで打つイメージです。ボールが置いてある位置に、タイミングを合わせにいったら、完全に振り遅れます。体のはるか右にあるイメージで振るくらいでちょうどいいのです。 この2つができるようになったら、とたんにスライスが出なくなりました。 スライスに悩む人は、ぜひ、試してみてください。 ▼高山忠洋(たかやま・ただひろ) 1978(昭和53)年2月12日生まれの、和歌山市出身の40歳。176センチ、75キロ。和歌山・星林高までは野球に打ち込む。3年で引退後にゴルファーになる決意をし、卒業後に岐阜県美濃加茂市の法仙坊ゴルフ倶楽部の研修生に。3年後の1999年にプロテスト合格。ツアー通算5勝。 取材協力 涼仙ゴルフ倶楽部(三重県いなべ市員弁町東一色2796)(電)0594(74)5110 (毎週木曜日の紙面に掲載) PR情報 |