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【コラム エンジョイボウリング】

プロが教える「オイルの読み方 平行ピンのスペアの取り方」 小林あゆみ

2014年4月25日 紙面から

 昨年9月から連載していたエンジョイボウリングは今回で最終回。総仕上げとしてレーン上にひかれているオイルの読み方を学びます。さらに9−10番ピンなど横に並んでいる平行ピンのスプリットメークにも挑みます。最後は小林あゆみさん(24)がレクチャーします。これからもボウリングでぜひエンジョイしてください。ご愛読ありがとうございました。

勝負のカギ握る的確な状態把握 均等ではないオイル

レーンにオイルを塗るメンテナンスマシン

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 「レーンが速い」「レーンが遅い」と表現することがあります。レーンの表面にはオイルが塗られ、オイルのコンディションによってボールの曲がり方が変化します。

 オイルの量が多いとレーンとの摩擦が少なく、ボールも曲がりにくい。これが「速いレーン」です。「遅いレーン」はオイルの付着が薄く、表面の摩擦でボールが曲がりやすくなります。

 オイルはレーン全体に均等に塗られているわけではありません。ボウリング場によって塗り方が異なります。オイルが付着しているエリアもファウルラインから10〜12メートルまでがほとんど。ピンの手前でボールが急に曲がるのはレーン奥にオイルが塗られていないからです。オイルは専用のメンテナンスマシンを使ってひかれますが、機械の構造上、ガター寄りの板目1、2枚程度はオイルが塗られていません。

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 試合ではオイルの読み方がカギを握ります。何度もボールを投げると、ボールにオイルが付着するため、レーンのオイルののりが薄くなり、だんだんとボールが曲がりやすくなります。オイルの量が少なくなることを専門用語で「枯れる」と言います。基本的にはレーンの中央付近がより多く、外側にいくほど少ないと考えてください。

 レーンの材質によってもコンディションが変わります。木製の場合はオイルが板に染み込みやすいため、枯れやすくなります。プラスチック製は染み込むことはありませんが、オイルがレーンの奥に伸びていくため、ボールの曲がり方が微妙に変化します。表面が曇っているボールは曲がりやすいですが、オイルを吸着しやすく、オイルが早く枯れてしまいます。照明や気温、湿度によっても変化は異なります。

 大きな大会の場合は1日10ゲーム近くこなすため、コンディション変化は大きいです。ちなみに私のような左投げは少数派で、右投げと比べてボールの軌道も異なります。ですから、レーンが比較的荒れずに済むというメリットがあります。

 ハイスコアを出すためにはオイルの読み方が大事です。常にレーンのコンディションは変化しますので、安定した投球を続けるのは難しく、プロでもなかなかパーフェクトを達成することができません。ボウリングの奥の深さはそんなところにあります。

隣り合う4−5番ピンが残った場合 2番ピンを架空のキーピンに

4−5番ピンのスペアメーク ※右利きの場合

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 4−5番ピン、9−10番ピンなど隣り合わせのピンが2本残ったときもスプリットと表現します。スペアメークで最初に倒す必要のある手前のピンのことをキーピンと言いますが、横並びの場合は2本同時に倒さなければならないため、キーピンに見合うものがありません。

 ここでは架空のキーピンを目標にします。4−5番ピンの場合はその前の2番ピンが残っていたものと想定。最後列の7−8番ピン、8−9番ピン、9−10番ピンではそれぞれ4、5、6番ピンになります。倒したいキーピンに応じて1投目の立ち位置から板目をずらすスペアシステム「3−6−9システム」で狙います。

 ですので、2番ピンが架空のキーピンとなる4−5番ピンは、1投目の立ち位置から右に板目3枚分移動することになります。ボールが曲がりすぎたり、曲がりが足りないときはさらに左右に板目1枚ずらすなどして微調整します。

 同じ横並びでも1つピンが空いた状態の7−9番ピン、8−10番ピンは厄介です。ボールで同時に2本を倒すことができない並び方ですので99%の確率でスペアは取れないです。プロ選手を含めてどちらか1本を取りにいく選択になると思います。また、両端の7−10番ピンが残る「スネークアイ」の場合は、後ろの壁などに跳ね返るピンアクションでごくまれにスペアメークできることがあります。

読者に手を振って別れのあいさつをする(左から)名和秋、谷川章子、小林あゆみ=宮崎エースレーンで(鶴田真也撮影)

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 小林あゆみ(こばやし・あゆみ) 1989(平成元)年11月19日生まれ、24歳。栃木県出身。159センチ、左投げ。小学5年でボウリングを始め、高校時代に国体の少年女子団体で2年連続準優勝。2011年にプロ入り(44期)。妹の小林よしみもプロボウラー。公認パーフェクトは未達成。プロ通算3勝。P★リーグでは第35戦で優勝。キャッチフレーズは「華麗なる左腕」。トミコシ高島平ボウル所属。

取材協力・トミコシ高島平ボウル 【住所】東京都板橋区高島平1の79の3 トミコシ会館3階((電)03・3936・1411) 【営業】年中無休(午前10時〜午後11時) 【通常料金】1ゲーム450〜550円(一般) 【アクセス】都営地下鉄三田線・西台駅から徒歩1分

ボウリング豆知識 日本人も選出 国際殿堂

 大リーグ・レンジャーズの本拠地、米テキサス州アーリントンには「国際ボウリング殿堂博物館」があります。野球殿堂は有名ですが、ボウリング界にも聖地が存在するのです。

 殿堂入りは米国の5団体から別々に表彰されるのですが、日本人も選ばれています。米国プロボウリング協会(PBA)では、1999年に当時の日本ボウリング場協会長、中野啓二郎さん(87)が日米交流と競技発展に対する功績が認められて選出されました。

 このほか日系人では、95年にハワイ州出身のヒロト・ヒラシマさん(2007年に97歳で死去)、97年にはカリフォルニア州出身のロクロウ・シマダさん(07年に85歳で死去)が全米ボウリング評議会(USBC)で殿堂入り。ともに米球界での人種差別撤廃に尽力したそうです。

  (鶴田真也)

 

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