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【格闘技】

元K−1戦士・佐藤嘉洋さん 1000万円空き巣被害にも負けない!

2017年7月12日 紙面から

K−1ワールドMAX日本代表決定トーナメントで優勝した佐藤嘉洋さん=さいたまスーパーアリーナで

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<竹下記者のWHO ARE YOU?>

 2005〜10年にK−1に登場し、魔裟斗らと激闘を演じた元キックボクサーの佐藤嘉洋さん(36)が、名古屋市内の自宅で空き巣被害にあい、総額1000万円超の被害にあったことを、ブログなどで明かした。これはただごとではない。佐藤さんは記者が格闘技担当時代、何度も取材した選手だ。早速、現地へ佐藤さんを訪ねてみた。(竹下陽二)

 現役を退いた佐藤さんは現在、名古屋市瑞穂区でキックボクシングジム「名古屋JKF」を営んでいる。地下鉄桜通線新瑞橋の8番出口付近という抜群の立地にあった。夕方6時オープンということだったが、15分ほど前に訪れるとジム内は真っ暗。でも、自動ドアが作動したのでエアコンの効いたジム内に入ると、暗闇から突然、大男が現れた。

 「ぎゃあーっ」と記者が大げさに悲鳴を上げると、男は「オープン前で休憩してたんですよ」と笑った。佐藤さんだった。現役時代から飄飄(ひょうひょう)としていたが、空き巣ショックのせいか、心なしか元気がない。無人のジムで早速話を聞いた。

 空き巣にあったのは、いつ?

 「6月25日です、1泊2日の家族旅行に出掛けているすきに。8月20日のKrush名古屋大会(格闘技イベント)のチケット売上金などお金は100万円超。貴金属類、カバンを含めると総額1000万円相当がパー。婚約、結婚指輪も盗まれて、カミさんもショックを受けてます。でも、まあ、自分のお金で買ったものはいいんです。大恩人からもらった時計も盗まれたのが、心苦しいです…」

 言葉がないです

 「もう、盗まれるものは何もない。うちほど安全な家もない(笑)。でも、空き巣にあったことを知った、もう何年も会ってない高校時代の同級生がジムにやってきて、30万円置いてってくれたり、長らく練習に来てない会員さんが見舞金持ってきてくれたり。お金やモノはなくなったけれど、人の優しさに触れて、人って素晴らしいなと」

 心までは盗まれなかったぞと

 「実は、いつか空き巣が来ると思ってたので、呪いをかけていたんです。家に置いてあるモノ、金、家族、家自体に。悪意を持って持ち出した場合、それが発動されます。だから、空き巣グループには残念でしたね、ご愁傷さまですと。でも、呪いはかかってしまいましたが、もう許すことにしてます。祝福することにします。その方が心が救われる」

 その鬼気迫る表情に記者が圧倒されていると、佐藤さんは話題を突然、変えた。

 「ボクね、三浦しをんさんの『舟を編む』という本を読んでから、なんて辞書に失礼なことしてたんだって思って。2013年の5月から新明解国語辞典第7版のあ行から毎日、1ページずつ読むようにしてるんです。空き巣にあった日も読みました。コツコツやるのが好きなんです。窮地に立たされたことは間違いないですが、ボクはゼロからコツコツ1000円ずつ積み上げていきたい。気付いたら、軽く1億稼いでいるような。ボクはこれを“狂気の継続”と呼んでます。幸い、8月20日の名古屋チケットは盗まれてないんで。まずは、これを売って。ただでは、終わらねえぞ。ふふ」

 佐藤さんは不気味に笑った。事情聴取に来た警察官に名古屋大会のサイン入りポスターを渡すなど、早速宣伝活動。主催者側は空き巣騒動を逆手に取って、「ただでは終わらねえぞ」Tシャツの製作に入ったという。格闘技界では佐藤さんを救えと「愛のカンパ」の動きも。佐藤さんの復讐(ふくしゅう)劇はこれから始まる−。

 

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