7月13日

<Scouting ラモス瑠偉>経験のクロアチアか、一体感のフランスか

 なんと素晴らしいチームだろう。2試合連続延長PK戦を戦い抜いたクロアチアが今度は120分、最後の最後まで走りきった。1点を先行されながら追いつき、延長後半4分にマンジュキッチがとどめを刺した。最後は条件的に恵まれているはずのイングランドの足が止まり、それと同時に思考も止まった。

 決勝ゴールは後方からの浮き球を振り向きざまにダイレクト、それも左足で振り抜いた芸術的なゴール。このとき、イングランドの選手たちは一瞬判断が遅れ、そのスキをつかれた。

 クロアチアには32歳のモドリッチ、マンジュキッチらベテラン選手が多い。しかし、若いイングランドを運動量で圧倒した。つくづく、サッカーは年齢ではないと感じた。彼らの経験と強い精神力は大きな力となり、強烈な一体感を生み出している。

 前線からの粘り強い守備。そこから繰り出される鋭いカウンターに加え、ワイドなオープン攻撃。同点ゴールは左から右に大きなサイドチェンジを行い、ブルサリコが間髪入れずクロスを入れた。これをDFの背後から飛び込んできたペリシッチが左足でたたき込んだ。分析の結果、イングランドは横の揺さぶりに弱いことをわかった上での戦略だろう。黄金世代と呼ばれるベテランたちの経験と高い技術の結晶がこの同点ゴールなのだ。

 決勝の相手、フランスもまた、素晴らしいチームだ。フランスのサッカーは優雅なイメージが強かったが、このチームは趣が違う。堅守速攻、質実剛健。ポグバ、カンテのダブルボランチとウンティティ、バランのセンターバックがきっちりとブロックを作り、ボールを奪うと同時に素早くボールを動かしてカウンターを仕掛ける。1998年フランス大会は「ダメだダメだ」と言われながらアンリとジダンという天才的な選手を軸に、勢いに乗って優勝した。しかし、今回のチームは一体感が強く、チームとしての強さは98年をしのぐ。

 クロアチアは3試合連続の延長戦で90分、ちょうど1試合分余計に戦っている。そのうえ、フランスより試合間隔が1日短いというハンディもある。どう考えてもフランスが有利だ。

 しかし、クロアチアには9カ国目のW杯優勝国となり、「新しい歴史をつくる」という強いモチベーションがある。W杯決勝という特別の舞台では、最後に精神力を問われる。そうなれば経験豊富な選手の多いクロアチアにも十分チャンスはある。 (ビーチサッカー日本代表監督)

中スポ 東京中日スポーツ

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