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小学校プログラミング必修化 先生、授業を模索中  富山市教委 モデル校指定など準備

パソコンを使ってプログラミングを体験する児童ら=富山市神保小学校で

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 小学校におけるプログラミング教育の二〇二〇年度からの必修化に向け、富山市教委は本年度から民間業者に委託して全小学校の四年生を対象に出前講座をしたり、モデル校を指定して授業の進め方を研究したりするなど準備を始めた。だが、現場からは「全くゼロからの勉強」「どうやって授業に組み込んだらいいのか」と不安の声も漏れる。(山中正義)

 「プログラミングとは何かを知り、簡単なプログラミングをやってみよう」。十月末の神保小学校であった出前講座。パソコンの前に座った児童が声をそろえて授業目的を読み上げた。

 駅の自動改札機や自動販売機など身の回りにあるプログラミングの例を学んだ後、早速、パソコンの専用ソフトを使って実習を始めた。正方形や正三角形を描いたり、発光ダイオード(LED)電球を点滅させたり。うまくプログラムを組めると、「できた」と歓声が上がった。

 「良い経験になった。またやりたい」と谷井優希君。倉田隼翔(はやと)君も「プログラムした通りに動くのはすごい。大人になっても生かしたい」と喜んだ。

 鵜坂小学校は地域の協力も受け、昨年度から一足早く授業を始めた。地元公民館でロボット教室を開く島田敏一さん(64)がボランティアで講師を務める。

 十月末の六年生の授業では、児童たちはコース上でロボットを走らせるプログラミングを実践。二人一組で動作をイメージしながらパソコンでプログラムを組んだ。うまくいったペアもあれば、ロボットが意に反して作動するペアも。五十川輝(ひかる)君は「失敗しても次にうまくいくとうれしい」と楽しんでいた。

ロボットが指示通りに動くか確認する児童たち=富山市鵜坂小学校で

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 市教委は本年度、芝園、堀川、鵜坂の三校をモデル校に指定。教科におけるプログラミング、総合的な学習の時間におけるプログラミング、地域連携を生かしたプログラミングというように各校で異なったテーマで授業のあり方を研究している。来年一〜二月には、教員向けの公開授業を実施する。

 児童たちが授業を楽しむ一方、教員には不安も。「夢中になっている子もいるが、コンピューターが苦手な子にどう楽しんでもらうか」「パソコンの急なトラブルがあると、教員のみで対応できるか」「どうやって教科の授業で活用するか分からない」

 プログラミングの必修化に向け、富山市の教員研修を担当する常葉大(静岡市)教育学部の佐藤和紀専任講師は「今は先生が試行錯誤して(指導の)事例を作る時間。モデル校で例を示していけばいい」と話す。

 文部科学省は、プログラミング教育の手引きや、総務省や経済産業省と連携して設けたプログラミング教育専用のインターネットサイトの活用を促す。今後は教員の研修用教材も作る方針で、担当者は「指導例を参考に授業をイメージして実践してほしい」と呼び掛ける。二〇年度に向けた試行錯誤は続く。

 小学校におけるプログラミング教育 新学習指導要領は「コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」と明記。プログラミング言語など専門的な技能の習得ではなく、理科や算数、総合的な学習の時間などでの学習を想定する。例えばプログラミングソフトを使って正多角形を描く算数の授業や、電気を流すことを制御するプログラムを組む理科の授業など。プログラミングという新しい教科ができるわけではない。

 

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