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特報とやま

ノーベル賞 県ゆかりの研究者続く 探求心 育てる土壌

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 富山県ゆかりの研究者のノーベル賞受賞が続いている。医学生理学賞に決まった本庶佑(たすく)さん(76)は両親が富山県出身。二〇〇二年化学賞の田中耕一さん(59)と一九八七年医学生理学賞の利根川進さん(79)は、県内で子ども時代を過ごした。科学の世界最高賞につながる芽を育んだ富山の土壌とは−。(山本真士)

豊かな自然/教育重視/勤勉性 

 富山と言えば、立山連峰に代表される豊かな自然が特徴。「自然がたくさんあり、『なぜこうなるんだろう』という好奇心、探求心を引き出してくれる」。田中さんは受賞翌年の〇三年、富山市内で開かれた式典で、故郷の自然から受けた好影響を語っている。

 一五年に物理学賞を受けた梶田隆章さん(59)は、研究の関係で富山市内に住んでいる。県民へのメッセージとして「富山の自然を通して自然の不思議を感じてください。それが自然科学への入り口」と色紙に記したことがあり、同じように自然と好奇心の関係を指摘している。

 江戸期に発達した売薬業も関係しているかもしれない。富山市郷土博物館の坂森幹浩・主幹学芸員によると、富山藩では行商に欠かせない読み・書き・そろばんが奨励され、江戸後期−明治期には北陸最大級の私塾も存在した。坂森さんは「上流階級から庶民まで、教育の必要性を肌身で感じていた」と話す。

 教育重視の風潮は現代に受け継がれている。一七年の高校等進学率は全国五位の99・3%。学力の水準も高い。小学六年、中学三年の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の平均正答率は上位の常連だ。

 特に科学の教育は熱心。県と県教委は、小中学生と高校生を対象とするテスト形式の「とやま科学オリンピック」を毎年開催。富山市と市教委は、研究姿勢をたたえる「ジュニア科学賞・とやま」を主催している。田中さんが化学に目覚めたきっかけは、小学校時代に担任が数多く見せてくれた理科の実験だという。

 真面目で勤勉な県民性も研究に向いている可能性がある。田中さんは〇三年の式典で、世界的な発見ができた理由を「両親の背中を見て育ち、周りの人に恵まれ、地道に積み重ねることを学んだ。富山で育ったことが大きく影響していることは間違いない」と分析している。

 本庶さんは一日の記者会見で、研究の心掛けを問われて「好奇心を持ち、簡単に信じないこと。教科書といえども、書いてあることは信じず、自分の目で確認し、自分の頭で考えなければいけない」と述べ、やはり愚直な姿勢の大切さを説いている。

 

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