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「不安」「怖い」子の心傷深く 専門家「大規模支援を」

交番襲撃から1週間

 富山市の交番で警察官が刺殺され、奪われた拳銃で奥田小学校の敷地内で警備員が射殺された事件で、休んでいた授業は二日に再開を予定していたが、襲撃を予告するメールが届き、延期された。事件の余波は続き、子どもらが受けたショックは根深い。(向川原悠吾、柘原由紀)

 「一人で過ごすことが不安になっている」。孫が奥田小に通う沢野静子さん(70)は、事件後の変化に心を痛める。休校中は孫の父親が仕事を休み、付き添っていたという。「友達と過ごせば、明るさを取り戻すかもしれない」。学校の再開に希望を託している。

 二人の息子が通う女性(43)は「二人とも外ではしゃぐのが大好きだったのに、あまり外で遊ばなくなってしまった」と心配する。子どもの前ではテレビのニュースを避けたり、新聞を遠ざけたりしているが、情報を完全に遮断することは難しい。「ニュースをじっと見ていることがある。どう声を掛けようか、迷う」

 別の母親も「外で遊ぶことが少なくなった」と明かす。家族以外の大人とも人見知りをせずに話せる子どもだったが、事件後、自宅を訪れる人と口を閉ざすようになった。事件を話題にしないよう気を付けており、子どもが話すこともないが、「やっぱり事件が影響しているのかな、と考えてしまう」と思い悩む。

 一方、目立った変化が見られない子どももいる。ある父親は「他の家の子どもが『怖い』と言っていると人づてに聞いた。しかし、うちの子どもはいつも通り家で会話をしている。心配はなさそう」と話す。

 大人も傷ついている。交番の近くに住む女性(76)は「パトカーのサイレンを聞くだけでも怖い。反応しすぎかもしれないけれど、胸が締め付けられる気持ちになる」と打ち明ける。別の女性も「サイレンを聞くと事件を思い出す。模倣犯か何かではと思ってしまう」と動揺が収まらない。

 法政大特任教授で教育評論家の尾木直樹さん(71)は「子どもたちにとって事件がトラウマ(心的外傷)になることはあり得る。個人差はあるが、トラウマは一般的に体験直後ではなく、一カ月半から三カ月後に現れてくる」と指摘する。

 子どもたちの心を支える取り組みの先進例として、二〇〇一年の大阪教育大付属池田小学校の殺傷事件で取られた大規模な支援体制を挙げる。「臨床心理士や精神科医、警察、教育委員会でプロジェクトチームをつくり、必要な体制を整えるべきだ」と訴えている。

 

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