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オール富山 タマネギ産地に JAとなみ野 成功例広める

タマネギの収穫作業。専用の機械をJAとなみ野が農機具メーカーと開発した=富山県南砺市で(県提供)

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 水田経営に新たな高収益作物を導入したとして、全国から注目されるJAとなみ野(本店・富山県砺波市)のタマネギ生産。県は栽培ノウハウを紹介し、成功例を県内に波及させる事業に乗り出した。タマネギはそれほど有望なのか。「オール富山」の産地づくりに協力するJAの事情は−。(山森保)

 「需要はまだまだある。良質な国内産の引き合いは強い」。JAとなみ野の佐野日出勇(ひでお)代表理事組合長は急拡大の手応えを話す。二〇〇九年産から取り組み、最初の三年こそ苦戦したが、四年目には県と各JAが進める一億円産地づくりの目標を達成。一六年産の販売額は五億円に迫り、今月から収穫が始まる一八年産は百三十一の生産者(団体)が砺波、南砺両市の百九十二ヘクタールに作付けし、販売額七億円を目指している。

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 北海道や佐賀、兵庫など主要産地の出荷が終わり、国内産が品薄となる七、八月に出荷できるのが最大の強み。利益率は米の約二倍と高い。稲作と作業が競合しない、機械化による一貫した省力化−が特長だ。

 米価の低迷、国の生産調整の打ち切りを背景に、稲作中心の農業経営は厳しさを増す。水田転作の園芸作物との複合経営は大きな課題であり、全国から視察が相次ぐ。

 「タマネギ1000ヘクタール産地へ」−。今年二月、業界紙にこんな見出しの記事が掲載された。米どころ秋田県大潟村のJAが三年で百ヘクタール、将来的に千ヘクタールの産地化に取り組む計画を伝えていた。大潟村も視察に訪れた一つ。山形、宮城、長野、岡山…。タマネギに取り組み始めた各県のJAが参考にしたのがとなみ野だ。

 「単独であと三百〜五百ヘクタールの作付けの拡大はなかなかきつい。オール富山の取り組みは有効」。全国的に新規参入が相次ぐ中、JAとなみ野の土田英雄常務理事は富山県内の各JAが連携できた場合のメリットに着目する。

 消費の伸びをけん引している外食、中食の業務用の伸長にも役立つからだ。大手外食チェーンなど大口需要の開拓、価格交渉にはまとまった数量が要求され、作付けの一層の拡大、低コスト化が求められている。

 富山県の野菜の生産額は全国最下位。タマネギも長く四十五位ほどを争っていたが、現在は十二位。一つのJAの奮闘が底上げしたまれなケースだ。県農産食品課によると、新たにJA福光が参入、さらにもう一つのJAを増やしたい考えで、展開次第ではベスト10入りも視野に入る。

 排水性を高めるなど十年がかりで蓄積した水田利用の独自の栽培法の伝授には県内各JA、大規模生産者を招き、収穫など主要な作業時期に合わせて一八年度中に五回研修会を開く。同課の担当者は「生産者の育成など技術面以外のノウハウも貴重」と話し、タマネギに続く食品メーカー向けの加工用キャベツや、ニンジンなどへの応用にも期待する。

 

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