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地毛証明 必要ですか 県内4高校 提出要求

学校を終え、帰宅する黒髪の生徒ら=富山県内で

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頭髪トラブル回避VS人権問題指摘も

 大阪府立の女子高生が生まれつき茶色い髪を黒くするよう強要された問題をきっかけに、頭髪に関する校則がクローズアップされ、東京都などでは「地毛証明書」の存在も表面化した。本紙が富山県内の県立高校(全日制)三十八校に取材したところ、四校で生まれつきの頭髪の特徴を書面で提出するよう求めていることが分かった。学校側が「トラブルを避けるため」と理由を語る一方、有識者は人権問題と指摘している。(山中正義)

 四校は魚津工業(魚津市)、富山北部、水橋(富山市)、石動(小矢部市)。書面は、いずれも「地毛証明書」や大阪府のような「地毛登録」とは呼んでいないが、実質的には同じ。生まれつきの髪の色や質を書面に記載して任意か、全員に提出を求めている。

生まれつきの頭髪の特徴について問う水橋高校の調査用紙

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 本紙が入手した水橋高校の「頭髪に関する調査用紙」は、入学後に任意で提出する。色とくせを記す欄があり、保護者に押印も求める。本年度は新入生百二十人のうち三十二人が提出した。串田至人校長は「事前に知っていれば頭髪指導でのトラブルを避けられる」と調査の意義を語った。

 他の三校も「頭髪指導で誤った指導がされないよう、保護者に了解を得て出してもらっている」「配慮が必要な生徒を事前に把握するため」「先生に周知するため」との理由を挙げた。

 県教委小中学校課の担当者は、こうした対応を「間違った指導を防ぐ手段として考えられる」と捉える一方で、「人権が最大限尊重される対応が必要」とも指摘した。

 富山商業は担任や生徒指導部に生まれつきの頭髪の特徴を口頭で届け出て、生徒手帳に教諭が証明印を押していた。

 元高校教諭で、富山大の笹田茂樹教授(58)=教育行政学=によると、一九九四年に子どもの権利条約が批准されてから子どもが権利主体として考えられるようになった。最近では、性的少数者(LGBT)のように多様性が認められる傾向も出始めており、潮目は変わってきているという。

 「多様性を認める社会になれば、髪の毛も黒以外の色が認められるように変わってくると思う」と笹田教授。地毛証明には「何の落ち度もない子どもや保護者に提出させるのは、人権の観点から、おかしい」と語った。

 

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