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黒部市長選 自民系3氏出馬へ 保守混戦も争点見えず

(左)川本敏和氏(中)川上浩氏(右)大野久芳氏=いずれも富山県黒部市の国際文化センター「コラーレ」で(左から出馬表明順)

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 八日告示の富山県黒部市長選まで一週間。堀内康男市長(64)の引退表明を受け、既に出馬を明らかにしている三人が前哨戦を繰り広げている。三人はいずれも自民系無所属新人で、市議の川本敏和氏(60)、市議の川上浩氏(62)、元県議の大野久芳氏(69)。争点が定まらないながらも、保守分裂の戦いは徐々に熱を帯びている。(渡部穣、山本真士)

 予定調和の「セレモニー」になるはず、だった。昨年十二月の市議会。四選への出馬表明を促す保守系市議の質問に、堀内市長は大方の予想に反して言葉を濁した。「相談すべき人が残っている」

 「引退するつもりでは」。広まりつつあったうわさの信ぴょう性が高まった。定例会最終日。「次のリーダーにバトンを渡したい」。堀内市長が突然、閉会あいさつに立ち、引退を表明した。緊急会見を開き、「ずっと以前から決めていた」と明かした。

 年の瀬の急展開に、後継を目指す動きが加速した。自民系の県議や市議ら三氏が年始早々、先を急ぐように出馬を表明。宮腰光寛・衆院議員(富山2区)をはじめ、自民系の有力者による一本化への動きは見られなかった。自民市連は、いずれの候補予定者へも推薦を見送った。

 三人がそれぞれ出馬表明する会見には、市議会の別々の保守系会派が同席した。「やむにやまれぬ決断」。三人は異口同音に、互いの対立を避けるような発言を繰り返した。堀内市政の発展的継承を訴える点も同じだった。

 三人の地盤は臨海部の石田と生地地域、山間部の宇奈月地域の三つにくっきりと分かれる。旧黒部市と旧宇奈月町が合併して現市が誕生して十二年。地域間の政治的綱引きを、保守分裂の遠因とする見方もあるが、三人は「他の人がどうだから、出ようというのではない」と否定する。

 三月に開かれた公開討論会。客席に四百人が詰め掛けた。三人は公約などで計二時間半、熱弁を振るった。だが、議論がかみ合う場面はほとんどなかった。一部の来場者は「もっと具体的な話をしてほしかった」と不完全燃焼を指摘した。

 注目を集めながらも、いずれも財政の健全化や子育て支援、観光振興などを政策に掲げ、争点がはっきり見えない。地盤と会派の違いだけが、目立って浮かび上がっている。

「地元の人を」「施策で」

有権者 高まる関心 

 新人三人による混戦もように、有権者の関心は日に日に高まっている。

 「自宅が近いし、普段から顔を見ているし」。宇奈月地域の五十代女性は、川上氏の支持を明言する。川本氏の地元・石田地域の六十代の男性も「地区のために働いてくれているし、ここで応援しないと」と、地域意識をあらわにする。

 大野氏の地元・生地地域の五十代女性も「地元の人を応援するでしょう」と似た反応。ただ、県議が長い大野氏に「遠い人というイメージがある」と話し、距離感はやや異なる様子だ。

 一方、最も多くの有権者を抱える、市中心部に近い大布施地域の四十代女性は「地盤では選ばない」ときっぱり。「小学生の娘二人がいるから、夫と『子育て施策で選ぼう』と話している」

 市内に本社機能があり、社会的、経済的に影響が強いYKK。同社に勤める三十代男性は「選挙は社内で話題になるけど、会社として誰かを推すという話にはなっていない」と明かす。

 自民以外の政治家も戦いを注視する。野党系市議は「力が足りず、候補者を擁立できなかった」と悔しさをにじませつつ、「無投票を避けられたのは良かった」と評価。今秋の市議選にどう響くかを気に掛ける。

 

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