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特報とやま

性的少数者 進まぬ理解 当事者の思いを聞く

 性的少数者を表すLGBT。富山県の男女共同参画計画案では「LGBTなどで悩む児童生徒」とまるで症状であるかのように誤用され、広辞苑の改訂版では誤った定義が記載される問題が起きた。性的少数者への正しい理解が進んでいない現状が浮かび上がる中、富山発で当事者の思いに耳を傾けた。(向川原悠吾)

多様な性について「もっと知ってほしい」と話す呉崎あかねさん=富山市で(向川原悠吾撮影)

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「第3の性」を認めて 

手術以外も保険で

 「第三の性があることを認めてほしい」。富山市の呉崎あかねさん(34)=仮名=は訴える。体と戸籍は男だが、男女どちらにも当てはまる性自認の持ち主。男でも女でもあるXジェンダーと自己分析する。

 理想は女性だが、職場は男性として勤務。休日に女装することで男女のバランスを保つ。「日本はまだ認めていないが『第三の性』がある国は多い。自分の存在を堂々と話せるようになりたい」

  ■ ■ ■

 魚津市出身で東京都内の不動産会社で働く島谷優希さん(24)はレズビアン。自身が苦労した経験から、同性愛者らのカップル向けに物件を紹介する仕事も手掛け「同性愛への理解がもっと深まって」と願う。

 都内の大学を卒業し不動産会社に就職。交際する女性と同居する物件を探したが、断られ続け、二十軒ほど回ってようやく見つけた。

 今は別の不動産会社に勤務し、同性愛者向けの物件はこれまで約十五件を成約。評判が広まり、依頼や相談が増えてニーズの高まりを感じている。ふと、自問する。「もし富山にとどまっていたら同じことができたか」と。

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 「チャンスがあれば性別適合手術を受けたい」。性同一性障害で、体は男性だが女性になることを望む高岡市の契約社員(47)は話す。

 以前、岐阜県の会社に勤めていた時、性同一性障害を上司に相談したが、男性用のトイレを使い制服を着るよう指示された。ストレスからうつ病になり、今は職を転々としている。

 厚生労働省は二〇一八年度から、一定の基準を満たす医療機関で性別適合手術を受ける場合、公的医療保険の対象とする方向で検討している。自己負担は最大三割だが、手術前後に必要なホルモン治療は対象外。

 契約社員は「自分が認められたようでうれしい。でもホルモン治療が同等に扱われないのはおかしい」。その表情は複雑だ。

 男性になることを望む富山市の保育士(49)も「保険で救われる人は多いが、私たちにとって手術が全てじゃない。手術で性別が変わるんじゃない」と理解を求めた。

 

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