トップ > 富山 > 特報とやま > 記事

ここから本文

特報とやま

重機操作者養成 独居高齢者支援 散居村の除雪 住民フル稼働

市道を除雪する住民オペレーター=1月12日、富山県砺波市苗加で(山森保撮影)

写真

砺波市独自の推進策

 記録的な大雪の中、除雪車がうなりを上げて進む。運転しているのは建設業者ではなく、住民自身だ。富山県砺波市は、市内の各地区(自治振興会)に市道の除雪を委託し、地域ぐるみの除雪を推進している。県内でも珍しい取り組みで、今冬、重機を駆る住民オペレーター(操作者)たちがフル稼働した。(山森保)

 「仕事が丁寧やね。家の前に除雪の固い雪が残らないようにしている」。こう話すのは除雪車五台と十二人の住民オペレーターがいる般若地区(五町会、五百五十世帯)の除雪対策委員会の牛古(ぎゅうこ)一善さん(65)。二〇〇一年発足で、幹線道は業者に再委託し、生活道を中心に除雪している。

 マンホールや段差などの障害物、路肩や用水路の位置に精通し、時間にも正確。「勤め人がほとんどだが、大雪の日も仕事をやりくりして動いてくれた」。同じ住民とあって、田んぼに多少の雪を寄せても、地主が目をつむってくれるという。「葬式があるので道を開けてほしい」といった声や、集会所の除雪などに柔軟に対応している。

 市が除雪を委託するのは融雪装置が充実している中心部を除く市内二十地区のうち、十七地区。各自治振興会に委員会があり、重機の運転免許がある住民の協力に加え、市の補助でオペレーターを養成している。一台目の除雪車と格納庫は市が全額、二台目以降は半額を補助し、委託費のほか、事故に備えて市が保険をかけてサポートしている。

 地区委託の背景には、建設業者の減少もある。公共事業の縮減により旧砺波市だけでもこの二十年で二十七社に半減し、業者は重機の維持や人手の確保が難しくなっている。旧庄川町四地区で初の委員会を今冬発足させた種田地区も、「将来の手当てが厳しい」のが理由だ。

 市内には民家が点在する散居村が広がり、米どころとあって農道も多い。地区委託がきっかけになり、全戸の費用負担で生活道になっている農道の除雪をしている地区も。一人暮らしの高齢者が頼みやすいようにボランティア組織を発足させた地区もある。

 市土木課の担当者は「住民の意識が変わってきた」と話す。暖冬傾向が続く中、いかに効率的に雪に備えるか。住民の高齢化も課題だ。地区ごとに地域の事情に見合った除雪を探る動きは今後も続く。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索