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記者コラム:越中春秋

もう待てない

 北朝鮮に拉致された可能性がある特定失踪者の荒谷敏生さん=射水市出身、当時(25)=の両親は生前、よほどのことがない限り、一緒に外出しなかったそうだ。不仲だったからではない。失踪を家出だと思い込み、敏生さんの帰宅時にどちらかが迎えるためだった。

 十五年前に拉致の可能性を指摘された時、父太作さんはすでに他界。仏壇に向かって朝夕の願掛けを欠かさなかった母すみ子さんも一昨年、九十四歳で亡くなった。

 注目が集まる米朝首脳会談。焦点は北朝鮮の非核化で、拉致問題の進展は困難との見方もある。そうであるなら、特定失踪者問題はさらに望みが薄い。しかし、前進を期待せずにはいられない。家族は、もう待てない。(山本真士)

 

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