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記者コラム:越中春秋

船長に誘われて

 白髪の女性が、若い船乗りたちの写真をじっと見つめていた。ここは帆船「海王丸」の上。射水市の海王丸パーク内に寄港したクルーズ船で女性はやってきた。

 女性の夫はかつて船長だった。国外への航海で一年の大半は自宅を留守にし、水先案内人に転じてからも昼夜を問わず働いた。八年前に亡くなるまで、仕事について多くを語らない人だった。

 そんな夫を、ロープで帆を引っ張り、ヤシの実で甲板を磨く写真の若人らに重ねていた。「きっと主人も若い頃はこうやって働いていた。『見に行って』と引っ張られて来た気がする」。女性が偶然訪れた帆船は、夫が六十数年前、船乗りの基礎を学んだ「日本丸」の姉妹船だった。 (山本拓海)

 

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