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記者コラム:越中春秋

’17 回顧編<9> 砺波の生活・生産用具 重文に

ずらりと展示されている農具類。副業品の用品、用具も充実している=砺波市頼成で

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市民協力 収集50年

 文化財はこれまでいろいろ取材してきたが、三月の「砺波の生活・生産用具」の国の重要有形民俗文化財指定は胸がすく思いだった。

 市が五十年にわたって収集してきた市民コレクション。その数は六千九百点に上る。古い農具や民具は捨てられるか、学校や公民館に死蔵されるケースが大半だが、市民の協力でコツコツ集めたのが国レベルの評価につながった。

 指定の決め手は来歴がしっかりしていたこと。これは砺波郷土資料館長だった故佐伯(さえき)安一さんの功績だ。一点ずつ、どこで、いつ使っていたのか、歴代の職員がしっかりデータを記録したことで資料的価値が生まれ、これが文化庁の調査官の目にとまったという。

 稲作単作地帯で冬は雪に覆われる砺波平野。農業を基盤に石工、左官、指し物、機織りなど副業に関する用具、用品もたくさんあり、驚かされる。夏野修市長は「指定の用具類には、つつましくも美しい先人の暮らしが息づいている」とコメントしたが、まったく同感だ。

 捨てることができなかったのは、祖父母や両親の思い出につながっているからか。砺波の散居住宅は広いので、残っていたという説もある。市が少子化で空いた庄東小学校三階を丸ごと砺波民具展示室として展示、収蔵のスペースに充てた思い切った施策も生きた。

 これだけの質と量を備えた収蔵品。市民や県民だけでなく、観光客を誘導し、楽しんでもらう仕掛けができないかと思う。

 (山森保)

 

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