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富山型デイサービス「にぎやか」(8) 生き方 ずっと支える

玄関前に集うにぎやかの仲間たち=富山市のにぎやかで

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 「私、あなたと出会えて本当に良かったと思ってるの」。八十四歳の女性は定年退職まで公務員として働いていた。独身で一人暮らし。行きつけの美容院や足繁く通った小料理屋。寂しさもあったが、自由に自分らしく生きてきた。

 しかし、八十歳を過ぎたころから腰痛で歩くことが不自由になり、一人での外出が困難になる。住み慣れた家の中でさえ、冷蔵庫にお茶を取りに行くのも容易ではなくなった。

 「要介護老人」と認定をもらうことで、さまざまな福祉サービスを受けられるようになった。デイサービスに行けば他のお年寄りと一緒に歌を歌ったり、体操をしたりと、それはそれでありがたいと受け入れていた。

 十年ほど前に読んだ阪井由佳子著「親子じゃないけど家族です」という本を思い出し、運命の赤い糸に引かれるように、にぎやかと出合った。しかし、それはちょうどにぎやかが休業に入るタイミングと重なってしまった。

 にぎやかは約四カ月間の休業中に、二つの取り組みを手探りで始めた。一つは毎週日曜日の「にぎやか食堂」。昨今、全国で急増中の「こども食堂」だが、実は子供だけでなくお金があっても家族がいても、大人になっても温かい家庭料理を必要としている人はたくさんいる。介護が必要な人だけが集まるデイサービスのような場所ではなく、世代を超えてつながれるような場所をつくりたいと始めた。にぎやか定食は五百円。回を重ねるごとにお客さまも増えてきた。

 もう一つの取り組みが「お手伝い代行サービス」だ。「お困りごとから楽しみまで」というキャッチフレーズで、ごみ出しのお手伝い、ペットのお世話、そして外出援助まで、個々を尊重した「その人らしい生き方」を支えていくことを目的にしている。

 このサービスの最初のお客さまが先に紹介した彼女だ。家族がいない彼女には「歯ブラシ」一本買うためにも介護サービスが必要になる。一つ一つの不自由さを数えたらきりがない。言葉に出さず察してくれる「もう一人のような自分」、融通の利く誰かが必要だった。

 それができる手段として代行サービスはとても役に立った。六月に彼女はこのサービスを利用し「船旅」に出掛ける。八十四歳要介護老人の夢はちゃんとかなう。「あなたとの出会い」で老後の生活も大きく変わる。

 親子じゃないけど家族です。にぎやかは死ぬまで自分らしく生きることのお手伝いを続けていきます。 (理事長 阪井由佳子)

 =「にぎやか」は今回で終わります。

<団体情報>

 団体名 にぎやか

 主な活動 富山型デイサービス「にぎやか」と認知症デイサービス「かっぱ庵」を運営。今春より、毎週日曜日に「にぎやか食堂」を開いています。

 住所 富山市綾田町1の10の18

 会員数 600人

 電話番号 076(431)0466

 メールアドレス bravo@nigiyaka.jp

 ホームページ http:/www.nigiyaka.jp

 代表 阪井由佳子

 

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