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NPO通信

ぴーなっつ(10) 教育も「地域移行」を

地域で自立生活をしている障害者仲間の集まり=富山市上赤江の市営団地で

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 「共生社会」の実現には「インクルーシブ教育」が無くては不可能だと考えています。これまで三回にわたってD君と共に過ごし体験したことを書きました。

 厚生労働省は「障害者が施設や病院から、市民として自ら選んだ住まいで安心して自分らしい暮らしを実現する」という地域移行を促進しています。しかし、現実はサービス提供側の絶対的な不足とともに、家族の漠然とした不安があり、なかなか進んでいないのが現状です。

 当事者も家族も入所施設に入れば安心という「安心神話」はいまだに根強くあります。しかし、居宅支援を利用すれば一対一のサービスが受けられ、夜は循環介護を利用すれば施設での夜間見回りとの違いは無いに等しいと思っています。

 インクルーシブ教育によって「障害者も当たり前に地域で生きていく」ということを本人や家族も、地域の人々も自然なこととして考えられるようになるのではないかと思っています。特に周りの子どもたちを見ていると「一緒に生きていくためにすべきこと」を自然に考え、実行している姿には驚かされました。D君の同級生の約15%が現在福祉職に就いたり、目指したりしているそうです。

 福祉離れが進む中でこの比率は大きく、彼らの中でD君の存在が大きかったのではないかと思えてなりません。元教員の北村小夜さんは、特殊学級(現・特別支援学級)の担任をしているときに、子どもから「一緒がいいなら、なぜ分けた!」と言われてハッとしたと言っていました。

 別々の教室で学んでいても互いの理解は深まりません。学校は社会の縮図ですから、「地域移行」へ福祉政策のかじを切ったのであれば、同時に教育も変更が必要だと思います。NPO法人文福の八木勝自理事長は、二十代後半で施設から地域に出てきたとき「こんなに健常者がいっぱいいるのか!」とびっくりしたと言っていました。インクルーシブ教育によって、一緒に成長していく段階から知ることができれば、この社会はもっと生きやすくなるのではと思っています。 (代表 川添夏来)

 

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