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NPO通信

かもめのノート(15) 縛られずに、自由に

障害者差別解消法Tシャツを着る「かもめのノート」の職員たち=富山市西四十物町で

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 私たちが行う外出支援は余暇、つまり「遊び」が中心です。法人を設立した当時、富山市障害福祉課で「仕事ではなく、遊んでいるように見えますよ」と言われたことがありますが、私たちの仕事は「遊び」を良きものにすることです。

 まず、やることは計画を立てることです。「何時に家を出て、何時に電車に乗り、何時に〇〇をする」といったような計画です。実際はその通りに進まないこともありますが、そうした場合には臨機応変に対応します。支援者も計画に縛られてはいけません。

 知的・発達障害者には計画が必要な人が多く、約束を保証する安心感のようなものを感じられるようです。やることがはっきりすると、選択する必要がなくなります。自分で選択するということに自由を感じる人も多いですが、選択しなくても良いということに自由を感じる人もいると思います。

 知的・発達障害者は選択しない自由を満喫する才能があると思います。そもそも自由というものに興味がないとも感じます。

 選択肢は、それが二つでも十でも、数に関係なく限られたものです。選択しなければいけないときに悩むといった経験は多くの人が体験したことがあると思います。知的・発達障害者にとっては、昼食を何にするかといったちょっとしたことでも悩む人もいます。

 選択肢があるということは決して自由ではありません。選択することは、選択肢に漏れたものを諦めたり、無くしたりの連続ということです。

 人の心というのは、仕事でも遊びでも、考えず真っすぐに突き進むことを求めていると思います。障害者の中には体を張って「私は人間」「私は私で、あなたはあなた」と、言葉はなくても語りかけてくるのを感じます。誰もが限られた一人だけなんだと教えてくれます。

 今日という日は、昨日の次の日でもなく、明日の前の日でもありません。かけがえのない今日であり、今であると思い、その瞬間を大切にこれからも支援したいと思います。

 (NPO法人かもめのノート理事長・富野正宏)

 

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