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かもめのノート(9) 在宅で暮らす社会を

行動援護についてスタッフを対象にした勉強会を開く富野正宏理事長=富山市西四十物町で

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 障害者にとって入所施設が足りないという現状がありますが、これは福祉全体の問題です。高齢者福祉でも特別養護老人ホームの待機者が多く、ニーズに合っていません。有料老人ホームという選択肢もあり、初期費用を無料にしたり、入りやすく工夫したりしている所もありますが、お金持ちしか入れないと感じている人も多いと思います。

 ある施設は、グループホームをつくろうとしましたが、国の補助金が出ずにあきらめたと聞きました。入所施設は狭き門と感じる人もいるでしょう。だからこそ、これからは在宅で暮らすという選択ができる地域社会をつくることが望ましいと思います。

 当法人は九月から、行動援護というサービスを始めました。外出支援の一種で、自宅からの利用もでき、自閉症、知的障害者、精神障害者のニーズに合った支援です。しかし、サービスがあっても、それを行うヘルパーが不足していることに変わりありません。特に男性ヘルパーが足りず、サービスの提供がなかなかできない状況です。

 人材募集について雑誌編集者と話しましたが、福祉関連の募集では四つの事業所が一人のヘルパーを取り合っているのが現状だそうです。特に障害者福祉では、男性は結婚を期に辞めるというケースもあります。奥さんと子どもを養っていくには、給料が少ない上、将来上がる見込みもなく、生活に不安を感じるからだと思います。

 研修で、介護給付費の三分の一に人件費を抑えなければいけないと聞いたことがありますが、そんな少ない金額で人を雇えるわけがありません。下手をすれば最低賃金を下回る額です。

 よく外出支援の最中に「ボランティアで偉いね」と言われることがありますが、ボランティアだけではやっていけません。国や自治体が真剣に、地域社会で暮らせるようなシステムを構築しないと、いつまでたっても未来は暗いままです。サービスも、地域で変えられることは地域のニーズに沿って、住む人のことを考えたものにできたらと思います。 (NPO法人かもめのノート理事長・富野正宏)

 

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