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NPO通信

かもめのノート(5) 全て あるがままに

外出し、動物との触れ合いを幸せそうに楽しむ障害者=富山市古沢の市ファミリーパークで

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 相模原市の障害者施設での殺傷事件から約一カ月がたとうとしています。事件後には、東京都知事選やオリンピック、高校野球に世間の関心は移ってしまいました。どんな事件でも風化するのは仕方ないことだし、いつまでも覚えていろという方が難しいでしょう。でも、人類の未来が良い方向に進むためには、この理不尽な暴力の歴史が、こんなに早く風化することに疑問を感じます。障害者にとっては戦争と同じく、理不尽な暴力で命を奪われ、傷ついた事件でした。

 「障害者は不幸な人間」「障害者は税金の無駄遣い」と言い、犯人は十九人の命を奪いました。年間一人当たり約三百万円かかるという刑務所か、精神科病棟に監禁されるのでしょう。

 私は死刑制度に疑問を感じ、野蛮な行為だと思っていますが、犯人は自らの判断で十九人の尊い命を奪う野蛮な行為をしたわけです。心がざわざわします。

 尊い命が「被害者A」のように匿名になり、この事件が終わることに疑問を感じます。匿名だと、尊い命を一般の人たちが理解できるか分からないからです。

 私が知っていることは、障害者は決して生きているだけで不幸な存在ではありません。誰もが皆、平等な命で、世界には約六十億の違う人間の脳があり、全て必要だと思います。そうだとすると、犯罪者も戦争を起こす人も必要ということになってしまいますが、これも時代という名の竜の背中に乗って、人類が進化する過程で必要だったと思わなければならないと思います。第二次世界大戦の教訓を学べば、犯人は決してヒトラーでなくても、東条英機でなくても現れたと思います。

 理不尽な暴力を繰り返さないために必要なことは、六十億通りの脳がそれぞれ、「人間が必要だ」と思うことです。愛を持って人を見れば、殺していい人間なんて一人もいません。平和への道を進んで行ってほしいです。障害者はこれからも生まれてくるし、明日自分がなるかもしれません。誰もが安心して幸せになれる世界を想像して、全てをあるがままに受け入れてみようと思います。 (NPO法人かもめのノート理事長・富野正宏)

 

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