トップ > 富山 > メダカの学校を探せ! > 記事

ここから本文

メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【入善町古黒部編】 “美水”も姿見せず

ドジョウ、シジミ豊かな生物

写真

 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の共同取材班は九日、入善町古黒部に入った。青い空に、たわわに実った稲穂が揺れる広い水田、そして北アルプスから用水路に流れ込む水。今回の主役は、そんな豊かな水環境に息づき、地元のお年寄りたちが幼いころ食卓にも上った生き物だった。(杉原雄介)

【左】広川幸英さん【右】山崎林太郎さん

写真

 情報を寄せてくれた古黒部区長会の会長、広川幸英さん(66)に連れられていったのは、朝日町との境界近くにある水深三〇センチほどの中又用水路の上流だった。北アルプスからの水が引かれた用水路は、水底がはっきり見えるほど透き通り、所々に草が茂る。メダカが暮らすには最適な環境だという。

 広川さんとともに案内してくれたのは、山崎林太郎さん(67)ら三人。全員が古黒部で生まれ育ち、地元を知り尽くす人たちだ。BBT林藍菜キャスターを含め、五人がたも網を手に用水に下りると、早速「取れた」の声が響いた。

たも網を手にメダカ取りに挑む広川さん(左)ら=いずれも入善町古黒部で

写真

 メダカか!と思ったら、網の中には二、三匹のドジョウ。網をすくうたびに見つかり、広川さんは「ドジョウを見るのは久しぶり。今もたくさんいるな」と、幼いころ以来の生き物探しに目を輝かせた。

 さらに五分ほどすると、網の中に入った丸いものに気づいた。シジミ貝だ。「シジミは珍しくないよ」と山崎さん。子どものころは、シジミが採れる水路がたくさんあり、「家に持って帰ると母親がみそ汁にしてくれたよ」と教えてくれた。

【上】たくさん取れたドジョウ【下】網の中に入ったシジミ貝

写真

 短時間で続々上がる“成果”に、メダカ発見も時間の問題かと心躍らせたが、なかなか姿を現さない。広川さんは「昔はメダカだけじゃなく、スッポンやカニもいたんだけどね」とポツリ。広川さんによると、ここもやはり、耕地整理により用水路はコンクリートで改修され、かつてあった環境が変化した。農薬や生活排水の影響もありメダカが姿を消したのでは、とのことだった。

 用水路の下流に場所を移すなどして一時間半近く探したが、残念ながらメダカは発見できなかった。

 広川さんは「メダカはいなかったが、ドジョウやシジミがまだいたのは収穫。これ以上生き物が減らないよう、自然を守っていきたい」と意気込んだ。

“貴重”なツチガエル幼生

オタマジャクシのまま越冬するツチガエルの幼生

写真

 中又用水路ではドジョウやシジミの他、手足の生えていない小さなオタマジャクシも見つかった。広川さんは「五月下旬から六月上旬の農作業期に多く見られるが、この時期にいるのは珍しい」と驚いた。魚津水族館の草間啓(さとし)飼育員(30)に聞いたところ、ツチガエルの幼生だと教えてくれた。

 よく姿を見るニホンアマガエルなど多くのカエルは、五〜七月ごろに卵からふ化してオタマジャクシになり、八、九月ごろに成体となった後、土にもぐり越冬する。しかし、ツチガエルの一部は幼生のまま川底の落ち葉などに身を隠して冬を越すという。

 「富山でオタマジャクシのまま越冬するのは、ツチガエルとウシガエルの一部だけなので、この時期に見られたのは貴重です」と草間さん。川より土の中の方が暖かいため、大半のカエルは成体で越冬するよう進化したのではと推測している。

(第24回)2014年9月11日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:入善町古黒部
  • 用水の規模:1ケ所目 幅1m、水深15〜30cm/2ケ所目 幅1.5m、水深15cm
  • 水温:23.2℃
  • 朝日町との境を流れる小川沿いの古黒部地区を調査し、マシジミ、ドジョウ、ツチガエルのオタマジャクシを発見した。マシジミは昔から生息しており、河川の改修工事をした今でも生息していることがわかった。またツチガエルのオタマジャクシはこのまま越冬し、来年の春にカエルになることもわかった。今回はメダカは確認できなかった。

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索