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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【氷見市下田子編】 水質維持 魚影生き生き

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 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の共同取材班は一日、氷見市下田子に入った。ここはBBTが十五年前にも、メダカがいるとして紹介した場所なのだとか。果たして、メダカたちは今も元気に暮らしているのだろうか…。(伊勢村優樹)

 国道160号を高岡市方面から進み、氷見市に入ってすぐ。アルミ鋳造工場などが集まる工業団地に間近な農業排水路が、今回の目当ての場所だ。

 九月に入ったばかりだが、排水路に囲まれた周囲の田んぼは、県産のわせ米「てんたかく」がすでに刈り取られた後だった。

藪吉成さん

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 案内してくれたのは、元下田子区長の藪吉成さん(65)。地元の保育園児も待っていてくれた。総勢三十人が一団となり、たも網を手にあぜ道を進んだ。

 排水路は幅、高さともに三十センチから一メートル。水深は五センチから大人の膝下ほど。コンクリート護岸はされているが水は透明で、水底には水草も育っていた。メダカがすむ環境としては悪くなさそうだ。

大量のメダカを採取して喜ぶBBTの林藍菜キャスター(中)や子どもたち

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 子どもたちが水際に立つとすぐ、「いた、いた」と歓声が上がった。水中に無数の魚影があり、たも網ですくうと、次々にメダカが網に入った。魚津水族館の不破光大学芸員(35)によると、キタノメダカらしい。

 藪さんによると、かつてこの農業排水路にはきれいな湧き水が引かれ、飲み水にもなるほどだった。しかし二十年ほど前、工場から排水が出されるようになり、メダカなどの姿が見られなくなった。その後、工場排水を止め、たまった土砂などを定期的に取り除くなどして水質改善を図った結果、十五年前からメダカがよみがえり、初夏にはホタルが飛び交うまでになった。

 この日、初めてメダカをすくった子どもたちは、水槽の中を観察しながら「楽しかった」と満足そう。マヤ保育園に通う同市上泉の川上由空君(5つ)は「メダカは動きが素早くて、追いつくのが難しかった」と笑みを浮かべた。

たも網を片手にメダカ探しをする子どもたち=いずれも氷見市下田子で

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 子どもたちをメダカとりに誘った藪さんは「こんなにメダカが増えているとは思わなかった」と驚いた様子。さらに「子どもたちに外遊びの機会を与えられ、楽しさを知ってもらえた。この自然環境を守っていかないと」と自らに誓うように話した。

アメリカザリガニ

生態系に影響 「放さないで」

外来生物法で生態系への影響が大きい「要注意外来生物」に指定されているアメリカザリガニ

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 メダカを発見した農業排水路。ドジョウやヌマエビの一種などもいて、そこは豊かな自然が残っているように見えた。だが、やっかいものの姿もあった。アメリカザリガニだ。アメリカザリガニは雑食性で、水草や水生昆虫などを食べる。国が定めた外来生物法では、生態系への影響が大きい「要注意外来生物」になっている。魚津水族館の不破光大学芸員が「メダカに直接の影響はないが、土手に穴を開けたり、稲をはじめオタマジャクシやヤゴも食べる。もともとあった自然環境に大きな影響を与えるんです」と教えてくれた。

 県内にはアメリカザリガニどころか、「そもそもザリガニが生息していなかった」と不破学芸員。日本の在来種はもともと東北地方一帯に生息していたという。県内で見られるザリガニは全て、人が持ち込んだものなのだとか。「ペットとして飼う人もいるが、一度自然の中で増えたら取り除くことは困難。メダカもそうだが、ザリガニも安易に放したりせず、最後まで飼う努力をして」と呼び掛けた。

(第23回)2014年9月4日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:氷見市下田子
  • 用水の規模:幅50cm〜1m、水深20cm
  • 水温:23.6℃
  • 15年前にメダカの学校を確認した田んぼ横の用水を再調査し、キタノメダカを確認した。用水の上流には地元の人たちが“熊谷(くまんたん)”と呼ぶ湧き水が出ており、その良質な水がメダカの学校がある用水に流れ込んでいることがわかった。
  • 他の生物=アメリカザリガニ、ヌマエビの一種、ドジョウ、マルタニシ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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