トップ > 富山 > メダカの学校を探せ! > 記事

ここから本文

メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【富山市水橋小出編】 ドブガイ成育地で発見

不破光大学芸員(右)の案内でメダカの調査をする林藍菜キャスター=富山市水橋小出で

写真

 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の共同取材班は十八日、富山市の水橋小出地区に入った。今回は、いつも魚種の鑑定をしてくれている魚津水族館の不破光大学芸員(35)に案内役を務めてもらい、二カ所を回った。たも網や水温計など「七つ道具」を持参する不破学芸員の手際の良さが光り、多様な水生生物を解説付きで教えてもらった。 (青木孝行)

用水路にタモロコ

 最初の場所は、タンクローリーやトラックが行き交う幹線道路沿いの水田の用水路。幅五十センチ、水深約一〇センチで水の流れはほとんどないが、用水は近くの白岩川につながっている。

メダカのような泳ぎをするタモロコ(内側にいる3匹)とシマドジョウ

写真

 用水に入った不破学芸員は底にたまった泥をものともせず、素早くたも網をふるい、小魚をすくった。BBT林藍菜キャスターもたくましい。泥の中での不破学芸員の足運びをまねながら続いた。

 「タモロコとシマドジョウです」と網の中の生物の正体を明かす不破学芸員。タモロコは泳ぎ方がメダカに似ていて、メダカ同様に春に産卵する。用水で成長するので、よく混同されるという。

 「小さい時はメダカと形もそっくり」というタモロコは、ある程度成長すると本流の川に出て、体長が七、八センチぐらいまでになる。県西部ではよく見られる小魚だ。

 タモロコとメダカは共生することもあるが、残念。この場所ではメダカを採取できなかった。

県東部生態系守る「秘密の場所」

(上)「秘密の場所」で採取したキタノメダカ(下)タナゴなどが卵を生み付けるドブガイ

写真

 「次の場所に行ってみましょう」

 不破学芸員がそう切り出し、メダカがいる「秘密の場所」として案内してくれたのは、車で約二十分ほど離れた場所。そこは、県東部ののどかな田園地帯だった。

 幅二十センチ、水深約一〇センチの用水路があちこちに流れる。そのうちの一カ所で、体長五センチほどになる二枚貝のドブガイを見つけた。「秘密の場所」にしている理由が、このドブガイにある。

 ドブガイは、実はタナゴなどが卵を生み付け、命を育む「ゆりかご」になっている。淡水魚を飼育する人たちにも重宝され、自然界で採取されたものがインターネットで販売されるケースが後を絶たないという。また、水田整備が進み個体が県内で減ってきており、保全のために「秘密にしている」と不破学芸員は説明する。

 ドブガイは、メダカやドジョウに寄生しながら成長する。その後、土の中でプランクトンを食べて大きくなる。そして今度は、小魚の産卵場所としての役割を担うようになる。

 別の用水をのぞいてみると、小魚の群れを見つけた。林キャスターが、たも網を入れて見事キャッチ。不破学芸員は笑顔で「キタノメダカですね」と答えた。ウロコとウロコの隙間に斑点があるのが特徴だ。また、雄は雌に比べて尻びれが平行四辺形の形をしていて大きい。

 メダカを発見した用水路は、三面がコンクリートでできていた。水草が生えていないのを見て、不破学芸員は「十年後、二十年後もメダカがすみ続けてくれているといいが…」と声を落とした。

 採取を終えて、不破学芸員は「メダカを採取、飼育することはいいことだが、途中で用水などに放さず最後まで面倒を見てほしい。飼育されたメダカが放流されると、生態系を壊すことにつながるから」とマナーを守るよう呼び掛けた。

(第21回)2014年8月21日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:富山市水橋小出
  • 用水の規模:(1)川幅50cm、水深10cm (2)川幅1m、水深20cm
  • 水温:25℃
  • 魚津水族館の学芸員・不破光大さんの案内の下、富山市水橋小出の幹線道路沿いの用水を調査し、メダカと間違えやすい「タモロコ」を確認した。幼魚は本当にメダカそっくり。また車で10分ほど移動した別の用水で、ドブガイの仲間とキタノメダカの群れを確認した。
  • 他の生物=シマドジョウ、ドジョウ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索