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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【砺波市太郎丸編】 雪解け水が育む楽園

池でメダカを観察する観光客ら=いずれも砺波市太郎丸で

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 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の共同取材班は11日、砺波市太郎丸のとなみ散居村ミュージアム裏の遊水池でメダカの調査をした。ミュージアムの周囲には水田が広がり、散居村の景観が美しい。そんな中、池には群れで泳ぐメダカがあちこちで見られ、さながらメダカの楽園のように生命が息づいていた。 (青木孝行)

散居村の遊水池 息づく大群

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となみ散居村ミュージアムは、砺波平野の散居景観を保全するため二〇〇六年六月に開館した。その館長白江秋広さん(63)がミュージアム裏手にある遊水池を案内してくれた。

 池は広さ二千平方メートルで、水深四〇〜五〇センチ。高さ約二メートルのアシが点在し、水底には水草が生い茂っていた。水中の水草をよく観察してみるとメダカの大群が横切った。

採取したメダカを見る林藍菜キャスター(左)と白江秋広館長

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 早速、BBT林藍菜キャスターがたも網でメダカ採取に挑戦。一回目、残念ながら空振り。すかさず白江さんが「サッと網を入れるのがこつ」とアドバイス。すると「大漁です、大漁です。生まれたばかりのメダカのようです」と元気のいい林キャスターの声が返ってきた。体長約一センチ。国内外来種のミナミメダカらしい。

 池は用水から流れ込む水を再び別の用水に流し込んでいる。九年前に人工的に造られたが、白江さんは「感覚的だが、三年前ぐらいからメダカが増えてきているようだ。池の生態系が整ってきた」とほほ笑む。池には、ほかにタニシ、ドジョウ、コイも姿を見せる。

(左)ミナミメダカとみられるメダカ(右)となみ散居村ミュージアム

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 ミュージアムを訪れ池を観察した射水市今井の主婦寺田和子さん(80)は「最近はメダカをあまり見なくなった」とぽつり。一方、都内から富山に帰省中で、一緒に訪れた寺田直子さん(45)が「思いがけずメダカを見ることができた」と喜ぶと、娘の瑛穂さん(17)も「小さくてかわいい」と目を細めた。

 白江さんは「水に親しむための池。採取は基本的に禁止だが、たくさんの人に観察に来てほしい」と話した。

71年以後、水田整備で一変

暮らしのそばに用水

 一九七一年から国が推し進めた水田整備で、農村の生活様式は一変した。それまでの家々には、幅三十〜五十センチの用水路が取り囲むように配置され、その用水路の水は最終的には水田に流れていた。「用水では大根やキュウリなどの野菜を洗ったり、夏にはスイカを冷やしたりと、環境にやさしい社会だった」と白江秋広さん。自身も水が豊かな砺波市で生まれ育った。

 雪解け水のため庄川の水は豊富で、家々の用水にはいつも水が潤っていた。白江さんは少年時代、用水路の途中にできた池で釣りを楽しんだという。ミミズを餌にコイ、ナマズ、フナを竹ざおで釣り上げたのが「いい思い出」と振り返った。

 「水田整備で無駄なくコメが作れるようになったが、昔懐かしい水に親しむ生活がなくなった」と白江さん。それだけに今は「一日に三回、メダカの様子をチェックしている」ほど、ミュージアム裏の遊水池への思い入れは強い。

(第20回)2014年8月14日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:砺波市太郎丸 となみ散居村ミュージアム
  • 池の規模:2,000平方メートル、水深40〜50cm
  • 水温:30.1℃
  • 2006年6月に開館した『となみ散居村ミュージアム』。広大な遊水池は、かつて砺波平野に点在した池などの“水の記憶”を残そうと作られた。調査でミナミメダカを確認した。数百匹、千匹以上いるものと思われる。池は上流の用水から流れ込んだ水を再び別の用水へと流し込んでいる。
  • 他の生物=ヒメダカ、ヒゴイ、ドジョウ、マルタニシ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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