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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【砺波市庄川町三谷編】 田んぼの川辺 多彩生物

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 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の共同取材班は五日、砺波市庄川町三谷地区に入った。この地は県西部の砺波平野にあり、散居村ののどかな田園風景が広がっている。夏休みに親と一緒に帰省した子どもたちは、たも網でメダカを追い続けながら水辺の多様な生物と触れ合った。(青木孝行)

【左】上野春男さん【右】坂井昭吉さん

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 この日は「一カ月近く前にメダカを見た」との情報を寄せた同地区の農業上野春男さん(75)が、庄川支流の谷内川を案内してくれた。

 田んぼの稲が青々と風で揺れる中、BBT林藍菜キャスターと、近所の子どもや県内外から帰省した子どもの計八人が、たも網を持ち、あぜ道を進んだ。

 上野さん宅から二百メートルほど離れた所に谷内川(高さ二メートル、幅一・五メートル、水深三〇センチ)が現れた。上からはしごを下ろし、そろりそろりと下りていくと川辺にたどり着いた。

谷内川でメダカ探しに夢中になる子どもたち=いずれも砺波市庄川町三谷で

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 早速、魚影を見つけた子どもたちは、たも網を一回、二回と振り下ろしたが、素早く泳ぐ魚をなかなか捕まえることができなかった。

 「両岸の草陰が魚の隠れ家。そこを狙って」との大人の声。子どもたちは諦めないでたも網を入れると「捕れた。捕れた」と弾んだ声が返ってきた。ハヤの一種らしい。サワガニも採取できた。

 上野さんは「自然界は厳しい。人間に捕まらないように川の流れが速いような場所でないと生物は生き延びることができない」と説明。水遊びが好きだという岐阜県郡上市の保育園児村田芽吹ちゃん(6つ)は「魚がすばしっこくて捕まえるのが難しかった」とはにかんだ。

採取したハヤの一種を見つめる林藍菜キャスターと子どもたち

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 南砺市久保の井口小学校四年、東優里さん(9つ)は「夏休みに魚二匹を捕まえられて楽しかった」と笑顔で話した。今回は、この場所でメダカは結局、見つからなかった。

 上野さんによると、谷内川には水田の耕地整理をする一九七〇年代まで、たくさんのアユやウナギが遡上(そじょう)してきた。それでも今も護岸工事はしていないので、上野さんは「水が清らかなため水生生物が息づいている」と話した。

ビオトープにメダカの群れ

 谷内川ではとうとうメダカは見つからなかった。子どもたちは諦めず、川から三百メートル離れたビオトープに向かった。そこは上野春男さんの幼なじみで地元の郵便局長坂井昭吉さん(73)が休耕田に造った。長さ約百メートル、幅一メートル、水深三〇センチだ。

 ビオトープをのぞくと、あちこちにメダカの群れ。子どもたちは大喜びだ。坂井さんの孫で庄川小学校五年の坂井晴君(10)は「素早くメダカを捕まえた」とたも網をすくい上げた。

【上】休耕田を利用し坂井昭吉さんが造ったビオトープ【下】ビオトープで見つかったミナミメダカ

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 捕獲したメダカを魚津水族館で確認してもらったところ、ミナミメダカという。ドジョウやミズカマキリも姿を見せた。いろんな生き物がいる。

 このビオトープは、一九八一年に坂井さんが近所の子どもたちに自然に親しんでもらおうと休耕田側の用水をせき止めて整備。フナやドジョウ、コイなどを放流した。これらの魚は今も「増えず減らずの状態」と坂井さん。生息するアオダイショウやサギ、トノサマガエルがこれらを捕食するからだという。

 坂井さんは「厳しい自然界で生きている生物から生きる力を子どもたちに肌で学んでほしい」と静かに語りかけた。

 炎天下の中、粘り強くメダカ探しをした子どもたちは満足そうに水槽に入った水生生物に見入っていた。

 ビオトープ ドイツ語で「生命の場所、空間」という意味。その土地固有の動植物が自力で生活し、永続的な種の維持が可能な場所や環境をさす言葉として使われている。

(第19回)2014年8月7日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:砺波市庄川町三谷
  • 谷内川(やちがわ)の規模:川幅1.5m、水深30cm
  • 30年前に造られた農業用水の規模:長さ100m、川幅1m、水深30cm
  • 水温:21.5℃
  • 砺波平野を流れる谷内川を調査しメダカに似た「アブラハヤ」を発見した。地元では「ドスバエ」という方言で呼ばれている魚。そこから200メートルほど離れた30年前に造られたという農業用水でも調査を行い、ミナミメダカを確認した。
  • 他の生物=ドジョウ、ミズカマキリ、カワニナ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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