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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【舟橋小学校編】 村の用水で採取ゼロ

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 村にメダカはいるんだろうか? 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の共同取材班は、メダカを通して地元の環境を学ぶ舟橋村の舟橋小学校四年生が二日に行った調査に同行した。四月から既に四地区を調べて発見できていない児童らは今回、番組や新聞を見てメダカを傷つけにくいレンゲも採取用に持参。「今度こそは」と意気込んだ結果はいかに。(伊勢村優樹)

餌は豊富 希望つなぐ

小さな用水でメダカ探しに夢中の林藍菜キャスターと舟橋小児童ら=舟橋村国重で

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 真っ青な空に水田の緑がまぶしく映える。三時間目と四時間目を充てたメダカの調査は絶好の条件の中で始まった。取材班と合流した二クラスの四十一人は元気いっぱい。田園と住宅地が混在する典型的な村の景色の中を担任の尾島良幸教諭(55)の案内で進んだ。

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 だが、メダカは入らない。水温は二五度。メダカの活動には適温のはず。しびれを切らして児童に聞いてみると、喜渡創太君が「水の流れが速く、水草が生えていないから」と答えてくれた。

 結局、採取ゼロ。今年の取材で初めてメダカを一匹も採取できなかった。国重に二十年ほど住む民生委員の前田稔さん(62)は「この辺は昭和から平成にかけてほ場整備され、もともといたメダカがほとんど見られなくなった」。確かに護岸工事され、水草や雑草が茂る所は少ない。本当にメダカはいないのか。

用水で見つかったドジョウなどの生き物

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 でも、希望はありそうだ。尾島教諭が、ある場所でうつぶせになり、水田に顔を近づけるとメダカの餌になる大量のミジンコが。ドジョウの稚魚も。

 「ドジョウはこの場でふ化していることが分かったし、ミジンコがいるということは、メダカが十分生きていけることを証明している」と尾島教諭。「あきらめてはいけない」と児童たちに語りかけた。今後が楽しみだ。

進む宅地化 減る生き物

 県内で唯一の村である舟橋村は、全国で一番面積の小さい自治体でもある。近年は隣接する富山市へのアクセスの良さからベッドタウン化が進み、人口、世帯数ともに増加して全国から注目されるが、それに伴い、行き場を失った生物が多いのも事実のようだ。

 古越邦男副村長(61)によると、昭和三十〜四十年代の村は昔のままだった。林が多く、川沿いの竹やぶではウサギも見られたが、その後、河川改修やほ場整備が進むと竹林や雑木林は次々に姿を消した。用水はコンクリート護岸された。

村役場屋上から見た舟橋村。田園と住宅地が混在する=舟橋村役場で

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 今や村の全河川が改修、七割の農業用水がコンクリート護岸された。平成に入ると「人口増対策」で宅地造成が進み、田園は続々住宅へと姿を変えた。昭和の後期に一桁まで減った一学年の児童数は、宅地の増加とともに増え、村が自負するうまいコメも収穫される。

 整備や開発の影響は小さくはない。身近だったメダカなどの生き物は減っていった。古越副村長も「村の運営と自然の維持の両立はとても難しく、村の課題だ」と認める。

 それでも、村では今もホタルが舞う。ドジョウもいるし、河川にはサケが遡上(そじょう)し、マスやヤマメもいるという。

 「子どもが村の財産である自然と触れ、地域の現状を知ることで後世に自然が残っていく」と信じる古越副村長は、尾島教諭の授業に期待している。

(第14回)2014年7月3日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:舟橋村国重地区
  • 用水の規模:川幅80cm、水深15cm
  • 水温:25℃
  • 舟橋小学校4年生が取り組んでいる『舟橋村のメダカを探す!』の調査に同行するも、メダカを発見できず。尾島良幸教諭のもと4年生41人は村内を今年の春から調査に入り、今回で5回目だった。児童たちは必ず舟橋村でメダカを見つける!と意気込んでいる。
  • 他の生物=ドジョウ、ヒメガムシの幼虫、トノサマガエル、カワエビ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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