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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【黒部市飯沢編】 石垣用水 トミヨもいた

石垣の護岸も残る昔ながらの用水。たも網を入れるといろいろな生物がすぐに入った=黒部市飯沢で

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 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の「メダカの学校を探せ」共同取材班は、二十日に、絶滅のおそれがある淡水魚トミヨの生息地で知られる黒部市の飯沢地区に入った。今では珍しい石垣の護岸が施された用水にはトミヨやメダカなどがいっぱい。ただ、既に着工しているほ場整備で年内には埋め立てられる用水。生き物たちの行き先が気になる。 (伊勢村優樹)

ほ場整備で行き場は

用水で採取できたメダカやトミヨ、オタマジャクシ

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 生地漁港に近い飯沢地区。田園地帯だが、整備のため耕作はされていない。案内してくれたのは上市町西種編でも登場した上田進さん(77)=黒部市荻生。元会社の同僚という山口清一さん(64)=同=も加わり、BBTの林藍菜キャスターとともにたも網を入れた。

 十分ほどで、まずはトミヨがかかった。すぐにメダカも。魚津水族館の不破光大学芸員によると、背びれの形状からキタノメダカ。県がまとめた「レッドデータブックとやま」で絶滅危惧1(ローマ数字の1)類となっている水生カメムシの一種「コオイムシ」も確認できた。

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 場所は黒部川扇状地湧水群の中。湧水がたっぷり用水にも流れ込む。石垣護岸の底には泥がたまり水草や雑草が茂るが水は澄んでいる。「レッドデータブックとやま」に載るスイレン科のヒメコウホネも自生しているそうだが、間もなく用水はなくなる。

 整備を進める県によると、貴重な生物は地元の児童による捕獲作業が行われ、近くのコンクリート護岸の用水に移す。ただ、上田さんや山口さんは「魚はその魚にあった環境を与えないと生きられない」。生態系への影響に気をもんでいた。

舟橋小4年生 生息の環境調べる

【左】村内の用水でメダカを探す児童たち=舟橋村で(提供写真)【右】林藍菜キャスター(左端)らの突撃取材を受けながらもメダカの授業を進める尾島良幸教諭(中央)と児童たち=舟橋小で

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 四年生がメダカの調査を通じて地元の環境を学んでいる小学校がある。舟橋村の舟橋小学校。四月から、総合学習の時間に四十一人が校外にも出て村固有メダカの採取を試みているが、まだ村内では発見できていない。今月二十日、捕獲への「作戦会議」となった授業の場に共同取材班が入った。

 メダカを取り上げたのは、若手教諭に授業のノウハウを伝える県の「授業の達人」に任命されている同校の尾島良幸教諭(55)。「村の自然に興味を持ち、保護活動など具体的な体験で村をよくする自主的な態度を育てていこう」と総合学習の指導案を作成。松崎真貴教諭(35)とともに四年生の二クラス合同で授業を行うなどしている。

尾島良幸教諭

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 作戦会議のテーマは「舟橋村はメダカが住める環境じゃないの?」。これまで数カ所を調査したが唯一メダカを見つけたのは隣の上市町の用水だった。どうして村内の調査地点にはいなかったのか。「空き缶のポイ捨てなどがあり水が汚いから」「メダカがすみにくい水の流れの速い場所が多かった」など思い思いの意見を発表。上市町の発見場所が「コンクリートでなく水草もいっぱい生えていたから」との声も。

 いろいろな考えが出る中で、一人の児童が「昔は村の中にもたくさんのメダカがいたみたい」と発言。すかさず「昔と今で比べてみたら」との声が上がり、今後、お年寄りの話を聞いたり、インターネットで調べたりすることになった。

 授業のあと「人が缶とか捨てるからメダカがすめなくなっている」と話した早風明日香さん(9つ)。「みんなと一緒に探し、メダカがいることが分かったら保護していきたい」と心に決めた。 (伊勢村優樹)

(第13回)2014年6月26日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:黒部市生地・飯沢
  • 用水の規模:川幅1m、水深10cm
  • 水温:20.3℃
  • 黒部市生地・飯沢の田園地帯を流れる用水を調査しキタノメダカを確認。黒部川扇状地の湧水群の中だけあって川底は水草が茂り水が澄んでいる。トミヨやコオイムシといった絶滅が心配される生物も発見した。
  • 他の生物=トミヨ、コオイムシ、オタマジャクシ、ドジョウ、マルタニシ

(第17回)2014年7月24日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:黒部市生地・飯沢
  • 用水の規模:川幅1.5m、水深10cm
  • 水温:22.5℃
  • 6月下旬に取材した黒部市生地・飯沢地区の田園地帯が圃場整備されることになり、調査した用水も工事に入ることとなった。富山県新川農林振興センターが中心となり、その用水に棲む生き物たちを引っ越しさせる計画が実行された。地元の村椿小学校5年生25人がメダカなどの生き物の捕獲にあたり、校舎の中庭にある ビオトープに引っ越しさせて、メダカの学校の仮校舎とした。
  • 他の生物=トミヨ、コオイムシ、オタマジャクシ、ドジョウ、マルタニシ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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