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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【富山市三熊編】 ゴルフ場の池に魚影

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 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の「メダカの学校を探せ」共同取材班は十六日、BBTが十五年前に生息を確認した富山市三熊の呉羽カントリークラブに入った。以前と同じ池には今回も無数の魚影。職員たちは、整備に農薬を使うゴルフ場で変わりなくメダカがいたことに「命が確実につながっていた」と驚きと感動をあらわにした。(伊勢村優樹)

命はつながっていた

林修さん

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 36ホールある呉羽カントリークラブ。その中の立山コース・13番ホールが目当ての場所。ゴルフ場の最北東端で標高が八〇メートルと最も低い。十五年前と同じように、コースの整備を担うグリーンキーパー林修さん(51)に案内してもらうと、ホールの中ほどにフェアウエーを挟んで池が二つ。そのうち濁っていた一つに今もメダカがいるという。

 水際に立つと素早く動く魚影が。「いた、いた」「速い、すばしっこい」。BBTの林藍菜キャスター(27)が早速、声を上げた。

ゴルフ場の池の中で泳ぎ回るメダカ

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 あまりの速さに採取は難航。林さんが一瞬の早業でたも網を突っ込み、ようやく成魚一匹を採取した。もう一方の池ものぞいた。林さんは「メダカは見たことない」と話していたが澄んだ水中には無数の小魚。たも網を入れるとたくさん入った。

 体長一センチほど。魚津水族館によるとメダカの稚魚だが、小さすぎ、成魚も一匹だけのため「在来種のキタノメダカかもしれないが、判別は困難」。

「たくさんいますよ」。たも網を手に声を弾ませる林藍菜キャスター(左)と林修さん(右)。池の中はふ化して間もないメダカのマンモス校=富山市三熊の呉羽カントリークラブで

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 この日は快晴。たも網を置いて池をよく見ていると、トンボが水面を飛びながら産卵していた。林さんによると、もともとあった自然の池。整備はしたが護岸工事などはしていない。池に落ちたボールをあげるため年一回ほど水を少なくするとメダカ以外に数種の小魚が見えるそうだ。

 「十五年というと何代も生き続けてきたことになる。命がつながってくれたんだな」と林さん。「暇を見つけて他の池の生態系も確認し、これまで以上に自然に配慮して整備に当たりたい」。しみじみと決意を語った。 

同水系に外来種 分布調査の契機に

県内で初めて「ミナミメダカ」の生息が確認された「ふるさと自然公園」=富山市婦中町羽根で

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 今回、メダカを確認したゴルフ場の池。その同じ水系にある富山市婦中町羽根の「ふるさと自然公園」は二〇一一年、本来、太平洋側などに生息する「ミナミメダカ」の県内生息が初めて確認された場所だ。魚津水族館はこの後に遺伝子検査を導入。在来種か外来種かの判断と分布調査を始める契機となった。

 ミナミメダカが見つかったのは、公園内の池や小川。外来魚のバスが生息しメダカはいないとされていたが一〇年ごろ、同水族館の不破光大学芸員が発見。県内メダカをレッドリストに載せる調査を一緒にしていた富山大に伝え、同大大学院理工学研究部の今野紀文助教が遺伝子解析した。

 結果はミナミメダカ。県内は固有のメダカだけ生息している−とのそれまでの概念が崩れた瞬間だった。以来、同水族館はキタノメダカとミナミメダカを明確に分けて調査。国内外来種の分布拡大などが分かってきた。

 ふるさと自然公園のケースは、飼っていたメダカが「生きるのにふさわしい場所」との善意で放された可能性が高い。不破学芸員は「同じように放され、在来種と外来種が交雑すると取り返しがつかなくなる。飼育したら最後まで飼いきって」とあらためて呼び掛けた。 

(第12回)2014年6月19日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:富山市三熊 呉羽カントリークラブ 立山コース13番ホールの2つの池
  • 池の規模:10m×20m程度の2つの池
  • 水温:28.4℃
  • 15年前に調査しメダカの生息を確認した池を再調査。多くのメダカが生息していることを確認。キタノメダカと思われるが断定はできず。池の藻を食べてキレイにしてくれるソウギョの生息も確認できた。
  • 他の生物=ソウギョ、カエル卵塊

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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