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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【氷見市島尾編】 農業用水に在来種群

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 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の「メダカの学校を探せ」共同取材班は五月三十日、氷見市島尾の宮田小学校近くにある田園を調査した。六月からメダカの生態を学ぶ同校の五年生も参加し、たっぷりのメダカを採取。魚津水族館の判定では在来種のキタノメダカで、里山の環境が多く残る氷見市の貴重な現状が今回も浮き彫りになった。 (伊勢村優樹)

里山の恵み 児童興奮

續池巌さん

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 メダカの生息情報を寄せてくれた同市宮田の續池巌さん(71)が案内してくれたのは、校舎が立つ高台の東側。田園の中にある学校田脇の農業用水(深さ五十センチ、幅五十センチ)が目撃場所だという。

田園を流れる小さな用水にメダカがいっぱい。「いた、いた」と宮田小児童らの歓声が響く=氷見市島尾で

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 田植えが終わったためか用水は流れが止まったように見える。メダカには絶好の条件。五年一組の二十六人がBBTの林藍菜キャスター(27)とたも網を入れると簡単にメダカがかかった。「いた、いた」「何かいた−」と児童らの歓声でいっぱい。クサガメやトノサマガエルも網に入った。

 今は住宅団地もある島尾地区。田園は区画割りされてはいるが護岸工事がされていない用水も点在する。近くにため池もあり以前はメダカが目撃された。今は外来魚が放されたためか見えないが、用水のメダカはそこから流れてきたのかも。

子どもたちの「カメもいたよ」という呼び掛けに、メダカを手にした林藍菜キャスター(右)の笑顔も光る

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 「たくさんいて良かった」と續池さん。氷見市出身で、四十年近く神奈川県に住んだ後十一年前に故郷に戻ってきた。海越えに立山連峰も望める地元の自然を愛してやまず「メダカを見た子どもは目を輝かせていた。彼らのためにも絶滅危惧種のメダカが再び増えてほしい」と期待する。

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 びしょぬれになりながらメダカを追い掛けた児童たちも「今まで興味がなかったけど、メダカはすごい」と興奮気味。宮下藍由さん(10)は声を弾ませた。「外でメダカを探したことなんてなかった。メダカとフナの違いなどが分かって、授業でもっと学びたいと思った」と。

氷見だけで22 地方名に興味津々

 古くから親しまれ、地方名が五千以上もあるといわれるメダカ。取材に同行した自然保護員で氷見の“メダカの先生”坂貴義さん(75)によると、氷見市では「メメンジャコ」や「ゴマメ」など二十二ほどの呼び名がある。これだけ多いのは県内自治体でも珍しいそうで、坂さんは「それだけ氷見の地域に密着し親しまれている魚だったという証拠」。

坂貴義さん

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 面白いのは、地域によって呼び方の特徴が異なることだという。市の中ほどを流れる上庄川の南側、十二町潟などの地域では「メメンジャク」「ミミンジャココ」など小さいことを意味する八つの呼び名が存在。上庄川の上流域ではカタクチイワシを乾燥させた正月用料理「ゴマメ」と同じ呼び方もある。

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 坂さんによると、昔は集落相互の交流が今より少なく、集落ごとにつけられた呼び名が隔離されたまま伝えられていったらしい。

 一方で山間地などでは「メダカ」そのものの名で呼ばれる所が多い。坂さんは「山の上の方はもともとメダカが生息しにくい。住民はあまり目にせず、呼び名の変化も少なかったのでは」とみる。

 「カネタタキ」「ジャコ」「ゴラリ」など語源が分からない呼び名も複数ある。昔の人にはメダカがどう見えたのか。想像するだけでわくわくする。

(第10回)2014年6月5日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:氷見市島尾
  • 用水の規模:川幅50cm、水深50cm
  • 水温:22.5℃
  • 氷見市立宮田小学校から200m離れた田んぼ横の農業用水でキタノメダカを確認した。
  • 島尾地区は護岸整備されていない用水があり、メダカが生息しやすい環境が点在している。
  • 他の生物=トノサマガエル、クサガメ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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