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メダカの学校を探せ! 北陸中日・BBT共同企画

 富山県内の自然環境を地域の人と探索する北陸中日新聞・富山テレビ放送(BBT)共同取材企画。BBTの番組クルーとともに現地に入り、貴重な自然の現状をテレビ番組、新聞記事の同時展開で伝えます。

【氷見市万尾編】 田園は淡水魚の楽園

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 北陸中日新聞と富山テレビ放送(BBT)の共同企画「メダカの学校を探せ」は、10日の「BBTスーパーニュース チャンネル8」で放送したように3月27日、氷見市で最初の本格取材を行った。市街地近くに貴重な自然が残る現地。撮影クルーと本紙の伊勢村優樹記者(23)、西山輝一記者(29)は地元の子どもらに教えてもらいながら「発見」に驚きの連続だった。

水位変わらず 定期的手入れ

万尾川の右脇を流れる副水路の生きものを調べる小学生(中央左の2人)と吉村キャスター(中央右)、本紙記者(左の2人)ら。右はBBTの取材クルー=氷見市で

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 現場は「メダカがいる」との情報が入った氷見市十二町小学校近くの田園。BBTの吉村尚郎キャスター(35)らと記者は雨の中を向かったが、着くと奇跡のように晴れ上がり絶好の収録日和に。

 午前十時半、同小六年の西川祥平君(11)、山本篤弥君(11)と学校前で合流。早速二人は数十メートル離れた万尾(もお)川へ取材班を連れて行った。

 幅数メートルの川は土の堤防。その脇に沿って流れ、川の水門から取り入れた水を田んぼに入れるための副水路が、その場所らしい。

 着くなり、もたつく大人そっちのけでたも網を入れる二人。吉村キャスターが「どこにいる?」と問うと「ここだよ」と答えながら即座にメダカをすくって見せた。

副水路から採取したメダカ(上)やギンブナ(左下)、ドジョウ(右下)など=氷見市で

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 同行した氷見市教委の西尾正輝学芸員(33)によるとキタノメダカ。「副水路は年間を通し水位が変わらず水田が近い。汚泥にならないよう定期的に人間が清掃してもいる。この環境がメダカを生息させる」のだという。

 のぞくとたくさんのメダカが目に入った。「学校、学校、メダカの学校がありました」と叫ぶ吉村キャスターを尻目に子どもたちはさらに上流へ進み、ヤゴやドジョウなど十種類ほどの生物を続々捕獲。国指定天然記念物の淡水魚「イタセンパラ」の姿も見えた。

 取材班も童心に戻ってメダカを探したが思うようにいかない。そのうち吉村キャスターと記者が相次ぎぬかるみに足をとられ転倒。服をびしょびしょにして二人に笑われた。

 収録後、「いつもやってるから魚の名前はほとんど分かった」と西川君。山本君も「ゲームより外で魚を捕る方が楽しい」と笑顔でいっぱい。自然に抱かれたような二人は、その後も魚を追い続けた。 (伊勢村優樹)

西尾正輝学芸員

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稲作が生息に良い環境

 約百種類が生息するという県内の淡水魚。実はその七割が氷見市内で確認されている。中でも万尾川はメダカやイタセンパラも多くまさに淡水魚の楽園のような環境が残る。

 万尾川はほとんど護岸工事もされず川底も土のまま。昔から農業用水として利用され、市教委学芸員の西尾正輝さんは「稲作という人間の営みが、メダカなどの生息に良い影響を与えている」と説明する。

 田植え時期にはプランクトンを多く含む水が田んぼと川を循環。水門を季節ごとに開閉するため川の水位が上下し、浅い時期には川底まで日光が届いて魚の餌となる藻の繁殖を促すという。

 今回、調査したのは万尾川とつながっている副水路。冬には副水路の水面が枯れ草で覆われ魚が越冬する場所として機能している。

 ただ、近年は外来魚が増えている。調査で多く見つかったタイリクバラタナゴはもともと中国や台湾に生息。「外来種がメダカやイタセンパラなどの餌やすみかを奪う」と西尾さんは懸念する。

 高齢化で稲作の担い手が減っても川の環境が変わりかねず、「メダカがすみやすい環境は人間にとっても住みやすいはず。先人から受け継いだ環境をいかに守るかに関心を持って」と語る。 (西山輝一)

(第2回)2014年4月10日放送(動画提供:BBT)

  • 取材場所:氷見市下久津呂(しもくづろ)
  • 川幅:50cm
  • 水温:8.9度
  • メダカ10〜20匹の群れをいくつも確認 大きな群れで30匹程度
  • 他の生物=ドジョウ、ギンブナ、ザリガニ、タイリクバラタナゴ、タモロコ、イタセンパラ

 県内のメダカなど淡水生物の情報は北陸中日新聞富山支局へ。電話076(424)4141、ファクス076(422)3191

 

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