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とやま遺産

初夏の五箇山 家が生きている 実感

静けさに心がほっとする相倉合掌造り集落の景色=南砺市相倉で

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 緑がまぶしい初夏の五箇山には工事の音が響いていた。南砺市相倉(あいのくら)集落を見下ろす展望エリアへ登ると、屋根の上で職人が葺(ふ)き替え作業をしている。「合掌造り」と呼ばれるかやぶきの家屋。世界文化遺産に登録された相倉には二十三棟が現存し、古いものは四百年以上前に建造された。

 集落に下りて、葺き替え中の家屋に入った。民宿と展示を行う「勇助」。店主の池端滋さん(75)によると百五十年前に建てられたという。新緑を求めて行ったが、少し遅かったようだ。池端さんは「五月の初めごろは、芽吹いた木々によって山の色が違う。今は深い緑になった」と話す。毎日山を見ていると、少しの色の違いも分かるのだろう。

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 二階には、池端さんが撮影した五箇山の写真が並ぶ。現在は屋根半分で一カ月ほどかかるという葺き替えだが、昔は村の共同作業「結(ゆい)」で、一日で仕上げていた。気持ちの良い風が吹いて外を見ると、工事が終わり時が止まったかのような静けさ。心が休まる。

 「家が生きている」と池端さん。小さな集落では今も約六十人が生活を営む。人々の暮らしとともにこの景観は後世に残る。 (柘原由紀)

 

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