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とやま遺産

高岡・老子製作所の梵鐘 祈りの重み受け止め

梵鐘を仕上げる職人=高岡市戸出栄町で

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 ゴォーン。高岡市戸出栄町の工業団地にある鋳造メーカー「老子(おいご)製作所」前の鐘。つくと、重くて低い音が余韻とともに長く響く。

 老子製作所は、江戸時代中期の創業で、梵鐘(ぼんしょう)の製造では全国の六割以上を占める。これまで二万口(こう)を超える梵鐘を製造し、広島市の「平和の鐘」や、岩手県釜石市などにある東日本大震災の鎮魂の鐘なども作ってきた。

 元井秀治代表取締役(63)によると、ほどよいうなりと低くて長い響きは、日本の梵鐘独特の音だという。これに対し、アジア大陸では余韻が残らず「ジャーン」という音になる。

 梵鐘は、鋳型に一二〇〇度に溶解した銅とスズの合金を流し込んで作る。製作期間は四カ月ほど。独特の音色を出すには、鐘の厚みやスズの配合、銅合金の温度管理や鋳型の砂、鐘をつく撞木(しゅもく)が大切だ。五月下旬には山口市の寺院が発注した高さ約百四十センチ、重さ六百キロの梵鐘を仕上げていた。

 戦争で梵鐘を国に供出したままで、鐘を待ち望んでいる寺院もある。元井さんは「いまだに戦後復興をしている。梵鐘は祈りの対象となるもの。一つ一つ丁寧に作っている」と思いを話した。 (小寺香菜子)

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