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とやま遺産

稲葉山からの立山連峰 暮らし見守る神の山

日の光が筋となって差し込んだ立山連峰=小矢部市の稲葉山で

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 「今日は山がきれいに見えますね」。一年に何度、この言葉を交わすだろう。立山連峰は、県内で暮らすといたる場面に姿を見せる。小矢部市の稲葉山から一望もまた格別だ。

 国司として越中国内を巡った万葉歌人・大伴家持も千二百七十年前、同じ景色を見ただろうか。都に戻る直前にしたためたとされ、万葉集にも登場する歌にはこう詠んだ。「立山(たちやま)に 降り置ける雪を 常夏(とこなつ)に 見れども飽(あ)かず 神(かむ)からならし」。立山に降り置いている雪は、夏のいま見ても見飽きることがない。神の山だからに違いない−と。

 夏の最中でも雪の残る山々を遠くから眺め、感動を歌にした。高岡市万葉歴史館の主任研究員田中夏陽子(かよこ)さん(48)は「越中にはこんなに素晴らしい山があると都の人に伝えるためこの歌を詠んだ」と説明する。

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 町中に霧が立ちこめた今月上旬の早朝。雲を紅に染めた太陽は徐々に高さを増し、日の光は筋となって町に差し込んだ。稲葉山を歩いて下りてきた小矢部市の会社員牧俊弘さん(54)は「ここは立山連峰から白山まで一望できるのが良いですね」。家持が見ほれた神の山は、今日も変わらず人々を見守る。 (山本拓海)

 

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