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大地創造 物語の宝庫 立山黒部がジオパーク認定

下立の大理石の保護、保全を主目的に協定を調印した中尾哲雄会長(左)と財産区の長谷川晴夫議長(右)。中央は大野久芳市長=2018年10月16日、黒部市役所で

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 二〇一四年八月二十八日夕方、立山黒部ジオパーク推進協議会(当時)事務所の電話が鳴った。日本ジオパーク委員会から認定審査合格を伝える電話だった。

 一二年六月に研究者やガイド活動をしている人を中心にしたジオパーク推進組織設立準備委員会が設置されてから二年余。「思ったより早かった」。現在、パークを管理運営する一般社団法人「立山黒部ジオパーク協会」の理事で事務局次長の小谷智志さんは当時を振り返った。

 立山黒部ジオパークは標高三千メートル級の山々が並ぶ北アルプスから水深一、〇〇〇メートルの富山湾までがエリア。富山、魚津、滑川、黒部、舟橋、上市、立山、入善、朝日の九市町村に海域を含めたエリア面積は三千九百四平方キロメートルに及ぶ。

 立山の地獄谷、立山連峰の氷河群、常願寺川の大転石、杉沢の沢スギ、埋没林、ホタルイカなど見どころは多い。約三十八億年前の国内最古の砂粒、恐竜足跡化石、地表で見られる世界一新しい花こう岩なども見られる。まさに大地の物語の宝庫だ。

北アルプスから富山湾まで高低差4000メートルのエリアを有する立山黒部ジオパーク=入善町沖で(立山黒部ジオパーク協会提供)

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 国内初で現在も唯一の民間団体が管理運営する日本ジオパークでもある。「他のパークは自治体の管理運営。持続可能な環境保全と開発はジオでなくてもどの自治体も考えている。民間のわれわれは民間企業、個人とのつながりが深い」と小谷さん。一八年末現在で法人会員は二百二十団体、個人会員は三百六十三人。同年秋の日本ジオパーク委員会の再審査では審査員から「(立山黒部は)話を聞かなければいけない人が多くて、名刺が切れてしまった。こんなの初めて」との言葉が出たという。

 一八年十月にジオサイト「下立の大理石」(黒部市宇奈月町下立)の保護、保全を主目的に、協会とジオサイトを所有する同市の宇奈月町下立財産区が協定を締結した。ジオパークと地域が一体となって活動する象徴的なできごとだった。日本ジオパークネットワーク事務局によると、国内でも珍しい例で中尾哲雄会長は「協会初の協定を結べてうれしい」と喜びをあらわにし、立ち会った大野久芳市長は「歴史的調印だ」と意義の大きさを示した。

 日本ジオパークに認定されて四年余。一八年度から第二期基本計画(二二年度まで)がスタートした。小谷さんは「これまでの活動で立山黒部にかかわる自治体、団体、人材のネットワークは構築できた。人材育成、情報発信、環境保全、組織強化という重点取り組みを次のステップに進めていきたい」と未来を見据えた。 (松本芳孝)

 

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