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「流儀」子ども最優先 富山市奥田中男女バスケ部コーチ指導 坂本穣治さん(58)

奥田中男女バスケ部のコーチを長年務める坂本穣治さん=富山市内で

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 NBA入りが期待される八村塁(はちむらるい)選手(20)=米ゴンザガ大=と、昨季のBリーグを制したアルバルク東京の主力の馬場雄大選手(23)は、ともに富山市奥田中学校バスケットボール部の出身。外部コーチを二十五年務める坂本穣治さん(58)は、二人を含む約五百人の中学生を指導してきた。日本バスケを背負う逸材を育てた「流儀」とは−。(山本真士)

 −コーチを始めた経緯は。

 小学生向けに教えていたミニバスケットクラブの練習に、学校が近かった奥田中の部員が合流するようになったことがきっかけ。五年目に男子が北信越中学総体に初めて出られたが、勝ち上がれなかった。子どもたちに何もしてあげられなかったという後悔もあり、奥田中の指導に専念するようになった。

 −指導の心掛けは。

 子どものことを最優先に考える。抑え付けるような指導はしない。練習は厳しくやるが、悲壮感より明るさの方が強い。充実感や達成感、感動といったご褒美があるから、子どもは付いて来る。暴言や暴力では付いてこない。たとえ素行が悪くても、バスケットに一生懸命取り組む姿は評価する。そうすれば子どもは将来、変わっていく。

 −なぜ指導を続けられる。

 なぜでしょうね…。日本一になりたいとか、富山のバスケをどうしたいとか、そんな格好の良い目標ではない。子どもたちに真剣に向き合っていたら続いていた、というのが正直なところ。子どもたちが練習を頑張るから、自分も行かないわけにはいかない。

 過去に一度、練習に行けない時期があった。強かった馬場の世代が北信越で敗退した後の一カ月間だ。ふと不登校の部員の顔が浮かんだ。電話をして「気持ちが分かったよ。おまえが練習に来られたら、俺も行けるような気がする」と話した。それがきっかけになったのか、その子も私も練習に戻ることができた。

 −八村、馬場両選手が同じ中学から出たのは偶然か。

 二人の共通点は判断や切り替えの早さだ。例えば馬場は、味方が自陣でリバウンドをつかむ前に反撃へ走り始めている。普通は一息つくタイミングだ。相手の守りが整う前に攻めるから有利になる。そうしたプレーは今も昔も指導で重視している。そうしなければ、体格に勝る新潟のチームや技術に優れる石川のチームに勝てないからだ。二人を自分が育てたなんて言えないが、考えてみれば、関係はあるのかもしれない。

 さかもと・じょうじ 富山市出身。中学、高校のバスケットボール部と社会人クラブでプレーし、1993年から奥田中男女バスケ部を指導。北信越総体に18回出場。八村選手が中学3年だった2012年、全国中学バスケットボール大会に初出場し、準優勝。建設関連会社を経営。長男尭志(たかし)さんは高岡第一高校男子バスケ部のコーチ、次男欣弘(よしひろ)さんはオール県内ロケの「真白の恋」などを手掛けた映画監督。

 

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