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走れ刷れ 黙々「大車輪」 芸術家でランナー 若木さん

大きな車輪の中でひたすら走り続ける若木くるみさん

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 アーティストとランナーとして活動する若木(わかき)くるみさん(33)の企画展「版ラン!」が、富山市の県美術館で開かれている。国内外の作家を呼び、滞在制作と展示を行う「アーティスト@TAD」の第二回の試み。学芸員は「ばかばかしさと真面目なものが融合したオーダーメードの展覧会」と紹介する。(柘原由紀)

県美術館で「版ラン!」展

 「ゴゴゴゴゴ」。初日の九月八日、音を立てて回る大きな車輪の中でひたすら走る一人の女性に、来場者の目がくぎ付けになっていた。作家本人が走ることで車輪を回すパフォーマンス「大車輪」。若木さんはこの日、一度も休むことなく八時間半走り続けた。

 若木さんは北海道出身で京都市在住。京都市立芸術大で版画を専攻した。後頭部をそり上げる体を張ったパフォーマンス作品で第十二回岡本太郎現代芸術賞展大賞を受賞。同時に長距離マラソンに打ち込み、333キロを走る台湾・環花東超級マラソンの女子で優勝、246キロを走破するギリシャ・スパルタスロンで日本人女子一位の成績を収めるまれな芸術家だ。

【左】走ることで版画が刷れる「ランニング版画マシーン」【右】富山マラソンで着用予定の「絵画ウェア」(手前)=いずれも県美術館で

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 八月中旬の滞在制作では、そり上げた後頭部に合わせ鏡を使って顔を描き、布に転写する「顔拓」や、ランニングマシンに布を敷き、走ることで版画を刷る「ランニング版画マシーン」などの作品を制作。展示ではこれらの作品のほか、普段ランニング練習をする京都市の伏見稲荷の風景に自身が走る姿をこま送りで描いた版画や、今年の富山マラソンで着用予定の「絵画ウェア」も並ぶ。

 遠藤亮平学芸員は「素朴で味わい深い版画と、アバンギャルドなパフォーマンスという本来相いれないものがテーマ。表現の幅があり、驚きがある」と絶賛する。

 企画展は十一月四日までで入場無料。最終日の午前九時半から午後六時まで若木さんによる「大車輪」のパフォーマンスが行われる。

 

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