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苦節18年 納得の南砺産陶器 韓国人陶芸家・金京徳さん実現

南砺産の陶土で焼き上げた「高麗茶碗」を手にする金京徳さん=南砺市細野で

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 南砺市細野の韓国人陶芸家金京徳さん(47)が、南砺産の陶土を使った作陶に挑み十八年。ようやく納得のいく「高麗茶碗(ぢゃわん)」が作れるようになった。「随分時間がかかったが、多くの人に南砺産の陶器を使ってもらいたい」と創作意欲を燃やしている。(山森保)

 金さんは、韓国でろくろ職人として十年修業し、一九九八年に妻真由美さん(45)との結婚を機に来日。福井県越前町の越前陶芸村で学んだ後、二〇〇〇年に真由美さんの実家のある南砺市で自分の窯を持った。

 県外産や韓国産の陶土を使う傍ら、市内で陶土を探したが、なかなか見つからない。「当時読んだ本には富山県には焼き物にふさわしい土はない」という記述すらあったという。

 たまたま土木作業のアルバイト中に市内の山で見つけた土を試してみたところ良好で、三十トンをわけてもらったのが十年前。それから、さまざまな調整、別の陶土との配合などを試し続けた。

 一時はあきらめたり、「なぜ自分はここにいるのか」と悩んだりしたこともあったという。試行錯誤の末、次第に手応えのある作品が作れるようになり、ことし七月に親交のある田中幹夫市長に「南砺の土を使った陶器作りに道筋がついた」と報告した。

 南砺産の陶土はやや鉄分が多く、焼くと褐色の肌が荒々しい半面、素朴さや優しさを感じさせ、手にした感触が温かいという。同市城端の山で採取した石を砕いた白色の釉薬(ゆうやく)との相性もいい。

 金さんは「南砺の陶土に出合い、ここに来た意味も分かったような気がする。五年後を目標に登り窯も造りたい」と意気込んでいる。

 

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