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ドクターヘリ 大雪で出動減 県17年度

救急現場で活躍している県ドクターヘリ=県立中央病院で(県提供)

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悪天候日除けば 前年度と同数 2件/1日

 県ドクターヘリの二〇一七年度の出動件数が六百六十件になった。前年度より七十件の減少。大雪で出動できない日が急増したことが要因で、全日運休は運航開始以来で最多となった。ただ、天候不良を除く出動可能日数で見ると、出動は一日平均二・〇回で前年度と同じだった。(山中正義)

 医療機関などでつくる「県ドクターヘリ運航調整委員会」が十五日、富山市の県立中央病院で開かれ、報告された。県厚生部の大橋豊次長は「救急現場での速やかな救命・救急治療の実施や病院への迅速な搬送で、救命率の向上や後遺症の軽減に効果を発揮している」と語った。

 内訳は現場出動が四百七十七件、病院間の移送が七十四件、出動後のキャンセルが百九件。出動要請は七百七十三件だった。

 天候不良による全日運休は四十二日あり、運航を始めた一五年八月以降で最も多かった。運航後の一、二年目は十日にも満たなかったが、昨年度は今年一、二月の大雪による影響が顕著で、それぞれ十七日、七日間の運休となった。

 県ドクターヘリは、県立中央病院を基地病院とし、県内全域と岐阜県の飛騨地域北部(飛騨、高山両市、白川村)で運航している。昨年度の現場出動では、ヘリを利用したことで治療開始までの時間は、ヘリなしと比べて三十分短縮した。

 運航開始から今年三月末までの要請件数は千九百六十七件、出動件数は千六百七十八件。診察人数は千四百三十七人となっている。ヘリの離着陸場「ランデブーポイント」は県内に五百八十二カ所ある。 

運航の質上げる段階 小倉元センター長

件数 今がちょうど/重複要請の懸念

 「ドクターヘリを広める時代から、質を求められる時代に入った」。富山市の県立中央病院救命救急センターの小倉憲一・元センター長(現・県厚生部参事)は、県ドクターヘリの現状をこう指摘する。

 二〇一五年八月の運航開始後は、ヘリの出動を要請する消防機関の理解や利用促進に重点が置かれてきた。出動件数は一六年度が七百三十件、昨年度は減ったものの六百六十件と導入前に予想していた四百五十〜五百件を超えて順調に推移した。遠距離だけでなく、近距離での運用も有効といった理解が広まった上、心筋梗塞や脳卒中など当初想定していた症例以外での活用も進んだためとみられる。

 「今ぐらいの出動件数がちょうどいい。これ以上になると、(同時に複数の要請が入る)重複要請が増える」と小倉元センター長。重複要請による未出動は一六年度が三十三件、一七年度は四十二件に増えた。重複要請が増えると、本当に緊急性の高い患者への到達や治療が遅れることが懸念される。

 小倉元センター長は「ヘリを有効に活用するためにも、運航サイドや医師らがこれまでの症例を検証し、運航の質を上げる工夫が今後は必要となってくる」と話す。 (山中正義)

 

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