トップ > 富山 > 8月13日の記事一覧 > 記事

ここから本文

富山

女人救済「うば尊」とは 立山博物館・細木研究員 女性の視点で解説

女人救済の神や仏としてまつられた「うば尊」の展示解説会=県立山博物館で

写真

 立山信仰で「女人救済」の神や仏としてまつられた「うば尊」の展示解説会が十二日、県立山博物館(立山町)で開かれた。同館初の女性研究員の細木ひとみさん(42)が地獄に落ちる女性を救う「女人救済」の歴史に触れ、「なぜ女性が地獄に落ちるのか。納得がいかない」と女性の視点を交えて解説した。

 うば尊は、白装束をまとった老婆(ろうば)の姿をし、立山町の芦峅寺にあった「うば堂」でまつられていた。同館では、企画展「うば尊を祀(まつ)る」を開催中で、南北朝や室町時代の「うば尊坐像(ざぞう)」の三体や、全国各地の「うば尊」を紹介している。

 立山信仰をはじめ、中世のころ、女性は生理や出産の血が土に浸透し、水の神を汚すため、地獄に落ちる存在とされたという。細木さんは「女性が汚れているというのが不思議だった」と話した。

 芦峅寺に伝わる女人救済の儀式「布橋灌頂会(かんじょうえ)」では、女性は布橋を渡り、うば堂で説法を聞いた。儀式を終えると、「女性は、死後、男に生まれ変わり、極楽浄土が約束される護符をもらえた」と解説。うば尊の由緒や功徳を記した「大縁起」も説明した。うば尊が鋭い眼光を放つが「よく見ると、優しい顔をしている」と親しみを込めた。

 細木さんは、大学で民俗学を専攻。「血の池地獄」など、中世に築かれた女性特有の地獄や汚れの歴史に興味を持ち、卒業研究や修士論文でテーマにしてきた。昨年四月に同館に着任し、今回初めて展示を担当した。「女性ならではの企画を」との勧めも受け、うば尊を取り上げたという。企画展は、二十七日まで。 (木許はるみ)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索