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スズキ、インドに注力 シェア5割維持へ

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 スズキが中国で進めてきた四輪車の合弁事業を解消し、自社生産の終了を決めた。スズキは今後、五割のシェアを握り、市場をけん引するインドを中心に経営資源を投入し、成長を目指す。

 スズキの中国での四輪販売台数は近年、前年割れの状態が続き、二〇一七年度はピークの三分の一ほどの十万五千台にとどまった。「中国は大きな車の市場になっている」。経済成長や所得向上に伴う変化に、鈴木修会長は以前から危機感を示していた。

 さらに、中国政府が大気汚染対策として、新車販売のうち電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの「新エネルギー車」の販売を一定割合で自動車各社に義務づける方針を提示。EVとPHVの市販車を持たないスズキには重荷となった。

 スズキは重慶長安鈴木汽車(重慶市)、江西昌河鈴木汽車(江西省)の合弁相手との間で反転攻勢に向け協議を重ねてきた。販売台数が少なかった昌河鈴木は六月に合弁解消を発表。販売体制の見直しに向けて長く話し合ってきた長安鈴木も合弁解消で合意したが、当面はライセンス供与による生産販売を続ける。

 スズキはかつて四輪車を現地生産していた北米から撤退した。一七年の四輪販売台数は中国が二千九百万台、米国が一千七百万台。それぞれ世界一位、二位の巨大市場での現地生産から手を引くことになる。

 一方、スズキが注力するのがインドだ。現在の乗用車市場の規模は年間約三百二十万台ながら、スズキは50%のシェアを握る。経済成長とともに三〇年には一千万台規模の市場に育つとの予測もあり、近く日本を追い越して世界三位の市場となることが確実視されている。

 スズキは三〇年もシェア50%を維持する目標を掲げる。電動化を促進するインド政府の方針に従い、二〇年に第一弾のEVの投入を予定しているほか、既に販売しているハイブリッド車(HV)も強化。提携するトヨタ自動車と生産や輸出で手を組み、アフリカ市場の開拓も狙っている。

 ナカニシ自動車産業リサーチ(東京)の中西孝樹代表は「インドで最大手のスズキは、電動化でも市場をリードする立場にある。中国の合弁を解消した後は、インドをはじめ日本、欧州などに経営資源を集中して投じることになるだろう」と分析する。

(西山輝一、山田晃史)

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