トップ > 中日新聞しずおか > 朝夕刊 > 記事

ここから本文

朝夕刊

AI性能向上に「人狼」が有効 静大、研究成果発表

学会で人狼ゲームのデモンストレーションをしながら解説する狩野芳伸准教授=5日、鹿児島市で

写真

 二〇一八年度人工知能(AI)学会全国大会が五日、鹿児島市で開幕し、静岡大情報学部(浜松市中区)の狩野芳伸准教授(39)が、AIの発展のため、若者を中心に人気のパーティーゲーム「人狼(じんろう)ゲーム」でAI同士を戦わせることが「有効」とする研究成果を発表した。

 人狼ゲームは、参加者の中に紛れ込んだ「人狼」を見つけ出すゲーム。お互いの発言や表情を頼りに人間と人狼が駆け引きを繰り広げる。将棋や囲碁など相手の情報がすべて提示されるゲームとは違い、高度なコミュニケーション能力が必要とされる。

 将棋や囲碁で人間と競うことがAIの性能向上につながった経緯もあり、うそをついたり、見破ったりできる新世代のAI開発のため、狩野准教授らが人狼ゲームに着目。一五年に静岡大や東京大など国内の大学や研究機関が参加し、AIによる人狼ゲーム大会を実施した。当初はあらかじめ決められた言葉から選択する形式だったが、より自然な会話で駆け引きできるよう研究が続けられてきた。

 この日は狩野准教授がAI開発における人狼ゲームの有効性を学会で発表。研究室の学生一人と、四体のAIによる人狼ゲームのデモンストレーションを披露したが、発言の矛盾などAIの不自然さが目立った。狩野准教授は「会話を理解し、相手を説得するにはまだ課題が多い」としながら、「人狼に対応できるAIをつくることができれば、対話システムの向上に大きな意義がある」と強調した。

 狩野准教授によると今年八月、横浜で新たな人狼ゲーム大会が開催され、静岡大や広島市立大など約十チームが優勝を目指す。 

(相沢紀衣)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索