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「対応に限界」 通学路の見守り

◆ボランティア不足、下校時間ばらばら

人影のない道路を1人で下校する児童=浜松市内で(一部画像処理)

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 新潟市の小学二年の女児が下校中に殺害された事件は、通学路の死角に潜む危険をあらためて浮き彫りにした。子どもたちをどう守ればいいのか。静岡県内の学校関係者からは「対応するのには限界がある」との不安が漏れる。

 「路地裏などで一人きりになるところは、やはり危険だ。でも、子どもを自宅に帰るまで見届けるのは難しい」。二百五十人ほどが通う浜松市内の男性の小学校長(60)が、険しい表情を浮かべた。新潟市の事件で女児は自宅近くで友人と別れ、一人になってから連れ去られて殺害されたとみられる。浜松市内では二〇一六年度、登下校時の不審者情報が四十五件にのぼる。

 校長の小学校では四十人ほどの「学校安全ボランティア」が登校時に幹線道路の交差点などに立ち、子どもを見守っている。ただ、下校時は学年によってピーク時間が異なるうえ、ボランティアの人数が足りず、手が回らないのが実情だ。

 同校はボランティアを募集しているが、希望者が現れるのはまれだ。校長は「核家族化や夫婦共働きが進んでいるからかもしれない。庭いじりなどで家の外に出てるだけで、不審者は嫌がる」と嘆く。

 浜松市教委によると、ボランティアの確保や集団下校の判断は各校任せ。県警OBらを〇五年度から各地に配置。現在、十九人が担当校を巡回したり、学校安全ボランティアへの指導を行っているが、人手不足の解消にはほど遠い。

 市教委は、新潟の事件を踏まえ、近く各小学校などに注意喚起や指導に関する通知を出す。市教委健康安全課の担当者は「見守りは学校だけでなく、自治会や保護者など地域の協力も欠かせない」と訴える。

 静岡市内の学校では、不審者情報が寄せられた場合、保護者にメールを配信して注意を呼び掛けている。約三百五十人が通う清水区の小学校では、児童にまとまって下校するよう促しているが、同校の男性校長(55)は「下校時間は学年によってバラバラ。下校時に一人きりになる時間をなくすのは不可能だ」と話す。

 同校では、登校時に見守り活動をする住民ボランティアが、下校時にも自主的に自宅前に立つなどしている。学校も住民に散歩がてらの見守り活動を広く呼び掛けて、子どもの安心安全に取り組んでいる。校長は「年間を通じて下校に教職員が付き添うのは難しい。地域の方に子供たちの下校に目を向けてもらうことが大切だ」と指摘する。静岡市教委児童生徒支援課の担当者は「地域や警察と連携しながら、児童の安全意識を高めたい」と話した。

(古根村進然、沢井秀之)

 

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