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財務次官疑惑で女性記者座談会

◆セクハラ 私も実感

守衛に囲まれるセクハラ疑惑の渦中の福田淳一事務次官(中央)=16日、財務省で

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 財務省の福田淳一事務次官の女性記者に対するセクハラ疑惑が世の多くの女性たちの怒りを呼んでいる。真偽は依然、不明だが、福田氏が事実関係を否定する一方「言葉遊びを楽しむようなことはある」とコメントしたことや、財務省が記者に名乗り出るよう求めたことが火に油を注いだ格好だ。あすはわが身、かもしれない本紙女性記者が緊急紙上ミニ座談会で問題の本質や、自身のセクハラ体験を語り合った。

 −夜、一人で飲んでる取材相手に呼び出されたらみんなは行く?

 A(二十代)、B(四十代)、C(三十代)「行きます」

 A「行きます。取材相手と親しくなるチャンス。食事の席の方がリラックスしてくだけた話もしやすい」

 C「マスコミ以外の民間企業でも重要なクライアントの誘いは断れないのでは。危ない雰囲気なら何らかの自衛策は考えるが、呼び出しに応じたことを批判されるのはおかしい」

 −財務省は被害者の女性に「名乗り出て」って言ってるけど。

 B「出られません。セクハラの被害に遭って実名を出すのは相当、勇気がいる。『本当なのか』とか、的外れな批判や興味の対象になる。取材源、手法を明かすことになるし、会社にも迷惑がかかるかも。今回の記者がどんな人か分からないが、自分の所属する媒体で発表しなかったとしても無理ないと思う」

 A「名乗り出なければ事実関係が認められないとしても、嫌な体験を蒸し返されるようで抵抗がある」

 C「匿名が担保されるなら名乗り出るかも。このやろ〜、倍返しだ(笑)って、中日新聞で報道したい。ただ、名乗り出ることで社内外で色眼鏡で見られる、って怖さは理解できる」

 −セクハラに遭ったことはある?

 A「自治体の幹部にキスされそうになったことがある。笑ってごまかしたら『いまのはちょっと本気だったのに』と言われ、反応に困った」

 C「他県で警察官に飲み会で胸を触られショックで固まったことがある。『あなただったら、怒らなそう』って言われた。当時は恥ずかしくて、なかなか上司に言えなかった。福田次官は『言葉遊びを楽しむことはある』っていうけど、それは相手をなめてるってこと。シチュエーションとか、人を見てセクハラかどうかを判断するのがそもそも間違い」

 B「県議と二人で飲んでて胸を触られたり、別の県議にチークダンスを強要されたり…。今回のケースで実際にセクハラがあったかどうかは分からないが、福田次官や財務省の反応をみていると、相当ずうずうしい感じがする。誰でもやってること、逃げ切れるって思っているなら、許されない」

(司会は報道部デスク)

◆女性差別 今も根強い

 笹原恵・静岡大学術院情報学領域教授(社会学)の話 今回のセクハラ疑惑で、財務省は真正面から取り組まず、ひきょうなやり方をしている。性的なことをされて名乗り出るのは、恥ずかしい思いをし、傷付く。誰がどう利用するか分からないリスクもある。

 日本の男性優位は古いことではなく、政治や経済の分野では世界的に平等度が低い。今も女性差別の慣行や社会的な意識は根強い。

 いやな経験をする女性記者が多いのは、情報を取るため言い返しにくいマスコミへの蔑視と、女性蔑視の二つがあると思う。(セクハラ被害を告発できるよう)会社が何らかのバックアップ体制をつくるべきだ。

 

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