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国際女子相撲 参加者に聞く

◆「女児除外は差別」「危険度 男女同じ」

国際女子相撲選抜堺大会の土俵上で力強い取組を見せる女子選手=15日、堺市の大浜公園相撲場で

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 大相撲巡業の「ちびっこ相撲」に女児が参加できない問題の議論が広がる中、堺市で十五日、国内外からアマチュア相撲の女子選手が集まる「国際女子相撲選抜堺大会」が開かれた。会場は熱戦に大相撲と変わらない盛り上がり。日本相撲協会は女児を土俵に上げない理由に「安全確保」を挙げたが、参加者からは「ちびっこ相撲で男女で分けるのは間違い」などの声が上がった。

 行司の「はっけよい」を合図に激しくぶつかり合う選手たち。「大相撲と女子相撲はほぼ変わらない」と話すのは、大会を主催した日本女子相撲連盟の西野勉副理事長(63)。女子の大会では過去に、けがを避けるためマットを敷いた土俵を作るなどした時期もあったが、今は男子と同じ土の土俵だ。「土の土俵で女の子もガンガン攻めているが、大きなけがなくやってこられていると思う」と振り返る。

 五〇キロ未満の超軽量級に出場した京都造形芸術大(京都市)二年の菱沼春奈さん(20)は「確かに女子は擦り傷などのけがはしやすいけれど、男子もけがをするときはする。ちびっこ相撲で男女を分けるのは間違っていると思う」と話す。

 同じ階級の愛知学院大(愛知県日進市)二年の佐野清香さん(19)は「国技館の土俵なら女の子が上がれないのも分からなくもない」と伝統には理解を示した上で、「女子相撲というスポーツがあるのに、巡業の土俵でまで区別されるのは理由が分からない」と話した。

 一方で、「確かに女性は男性より関節も弱く、取組時の圧力に耐えられないこともある」と話すのは東海地方の大学の相撲部監督。「(女児のけがの報告が多かったとする)日本相撲協会の理由も、間違っているというわけではない」と付け加えた。

 大相撲の「女人禁制」を巡る議論は海外でも話題になっているという。重量級に出場した台湾の孫佩●(そんぺいゆ)さん(25)は「日本の伝統について私が意見を出す立場ではない」と発言を断った上で、女児が巡業でのちびっこ相撲に参加できないことについては「けがはどちらもするし、男も女も関係ない。女児がかわいそうだ」と語った。

 選手の中には、過去の大相撲巡業のちびっこ相撲で土俵に上がれなかった人もいた。朝日大(岐阜県瑞穂市)一年の奥山命(みこと)さん(18)は「女子だってけがを覚悟の上で相撲をしている。男と女で分けるのは差別。相撲を続けていけば、いつか(巡業の)土俵に上がれるようになるかもしれない。上がれなかった女の子はあきらめずに頑張ってほしい」とエールを送った。

◆アマ相撲に女人禁制なし

 アマチュア相撲は、日本相撲協会とは別組織の「日本相撲連盟」が統括している。全日本選手権などを開催し、海外で行われる国際大会への選手派遣も行う。日本オリンピック委員会や、日本スポーツ協会に加盟しているのも日本相撲連盟だ。

 今回の国際女子相撲選抜堺大会は連盟傘下の日本女子相撲連盟が主催。大相撲と同じ土の土俵に女性が上がっても、タブー視されることはない。

(瀬田貴嗣、福島未来)

 <「ちびっこ相撲」女児除外問題> 8日に静岡市駿河区で開催された富士山静岡場所で、力士が土俵上で子どもに稽古を付ける「ちびっこ相撲」に、昨年まで参加していた小学生の女児が急きょ参加できなくなった。4日前に日本相撲協会が主催者側に男児のみの参加を要請。掛川市、兵庫、長野、群馬各県の春巡業でも、協会が主催者に同様の要請をしていた。協会の広報担当者は当初「女人禁制に基づく措置」としていたが、問題が広がりを見せる中、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「女児のけがが多いため、安全確保が理由」と説明を変えた。

文中●は「女」ヘンに「予」

 

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