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湖西の駅名 社名消えても「明日も前」

◆日本一前向き 天浜線「アスモ前駅」

「明日も前」とも読めるアスモ前駅=湖西市岡崎で

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 二〇一一年三月の東日本大震災後、「明日も前」と読めることで人気になった天竜浜名湖鉄道・アスモ前駅(湖西市)。由来の自動車部品メーカー「アスモ」が四月に親会社のデンソー(愛知県刈谷市)に吸収されるのに合わせ、駅名も変更になる恐れがあったが、当面は変わらないことが関係者への取材で分かった。社名は消えても「日本一前向きな駅名」は残る。

 明日も前を向こう−。そんな励ましにも感じると話題になり、一一年八月、天竜浜名湖鉄道はアスモ前駅のイラストと「明日も前へ!」「日本一前向きな駅名」と書いたキーホルダーを発売した。

「明日も前」と書いた駅名キーホルダー(右)と合格祈願キーホルダー=湖西市岡崎で

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 すぐに家族の人数分五個購入したというアスモの男性社員(57)は「誇らしくて家族にも自慢したかった」と話す。家の鍵に付けて今も毎日持ち歩く。

 翌年からは合格祈願と書き添えたキーホルダーも毎年冬限定で販売。売り切れるほど人気だという。

 同鉄道は全駅名のキーホルダー三十九種を発売しているが、アスモと親会社のデンソーの事業統合が発表された昨年十二月ごろから、アスモ前駅の売れ行きが伸びているという。担当者は「アスモの社名がなくなるので駅名も変わると思った人が記念に買おうと思ったのかも」と話す。

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 同駅は、浜名湖の北岸を走る天竜浜名湖線の西の発着駅・新所原から一つ目。無人駅で、ホームの階段を下りてすぐにアスモの通用門がある。一日の駅利用者は約四十人で、ほとんどがアスモの社員だ。

 天竜浜名湖鉄道によると、駅名変更には看板や時刻表、車内放送などの作り直しで数百万円の費用がかかる。アスモ・デンソー双方からの要望もないため当面、変えないという。「前向きな駅名を残したいという声は、社内外で多い」と同鉄道の担当者。「明日も前」駅や「あすも前」駅など、表記だけ変えるアイデアも出ているが、未定という。

 アスモは、駅ホームの柵の塗装や看板のさびの補修費用として天竜浜名湖鉄道に二百万円を寄付したり、毎年、駅周辺の草刈りをしたりするなど、駅の保全にも関わる。同社総務部の尾崎進担当部長は「社員にとっても愛着がある駅。会社名が変わっても、名前の響きを残してもらえたらうれしい」と話している。

(片山さゆみ、写真も)

 

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