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浜松の放置竹を舞阪のカキ棚に

◆未利用資源 地域で循環へ

竹を組んでカキをつるすカキ棚=浜松市西区で(八木田牡蠣商店提供)

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 浜名湖でカキを育てる舞阪町養かき組合(浜松市西区)が今春から、これまで県外産が多かったカキ棚の竹に、厄介者となっている地元産を活用する。浜松で放置竹林の手入れをする有志団体「浜松里山竹クラブ」が供給する。使用後に堆肥化する構想もあり、関係者は「地元で未利用資源を循環させる一歩に」と期待を寄せる。

 カキ棚は湖底に刺した垂直方向の竹と水平方向のものを組み合わせてカキをつるす。組合長の八木田竹之さん(57)によると真っすぐで肉厚なモウソウ竹が必要で、一定の周期で交換する。組合全体で毎年数百本を購入しているという。

 現在は、八組合員の多くは三重県から取り寄せている。かつて八木田さんは市内の業者から買っていたが、高齢化などで供給が難しくなり三重産に切り替えた。ネックは運搬費だった。

 一方、同クラブにとって切り出した後の活用先の開拓が課題だった。荒廃した竹林の増加は社会問題化するものの、代表の大石誠一さん(66)は「ある程度まとまって使ってもらえる『出口』が必要だった」。二〇一六年、地元の食の関係者が集まる場で八木田さん側とつながり、話を進めた。

 八木田さんも「地元で安く手に入るなら。大石さんらはいろいろな研究をしているので、良い竹を見分け、耐久性のよい商品が届けば」と話す。三重産から切り替えることで、三割ほど安くなる見通し。

 再利用に道が開ける可能性もある。現状は役目を終えた竹は焼却処分しているが、大石さんは自身が経営する会社で竹のチップ化技術を持っており、堆肥として活用できないか湖西市の農家と検討している。

放置された竹林で竹を切り出す大石誠一さん=浜松市西区で

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 今回供給されるのは、浜名湖に近い浜松市西区で昨年末までに伐倒を終えた七百二十本。今年三月に納品され、JR弁天島駅北側に広がる、組合の共同管理区域で組まれる予定。

 大石さんによると、他地区からも引き合いがあり、来季は数千本の受注を見込んでいる。将来的にはノリの養殖棚への活用も視野に入れる。「長く供給を絶たないのが前提。切り出す本数を増やす仕組みを作り、ビジネスとして進めていければ。寄付金や助成金にしがみつかず、自力で地元で継続できる可能性がでてきた」と声を弾ませる。

 同クラブ顧問で浜松学院大客員教授の佐藤克昭さん(74)は「切りっぱなしだった未利用資源を地域で循環させ、コミュニティービジネスができるかもしれない。観光資源としてブランドにもなれば」と期待する。

(松本浩司)

 

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