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静岡けいざい

EV移行で浜松2254億円損失?

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 浜松信用金庫としんきん経済研究所(浜松市中区)は、電気自動車(EV)の普及が浜松地域にもたらす経済的な影響の試算をまとめた。EVへの移行が進んで従来のガソリン車の部品が100%不要となり、企業が何の善後策も講じなかった場合、年間の経済損失額は二千二百五十四億円、失職する関連企業の正社員は一万一千七百六十七人に上るとした。

 年間の経済損失額のうち直接的な損失は、EVへの移行で需要がなくなるガソリン車の排気バルブ、燃料タンク、変速機など一万一千点に及ぶ部品の出荷額千六百十一億円。

 これらの部品のメーカーに原材料を供給したり、金融、保険などのサービスを提供したりしている企業が受ける間接損失が四百三十七億円。さらに、影響を受ける企業の従業員の所得が減り、個人消費が落ち込むことで地域経済に与える二次的な間接損失が二百五億円と算出した。

 ただし、実際には、ガソリン車からEVへの切り替えは徐々に進むため、ガソリン車の部品が50%減った場合の経済損失は直接、間接を合わせて千百二十七億円、30%減った場合は六百七十六億円とも試算。失職する正社員もそれぞれ五千八百八十四人、三千五百三十人と算出した。

 EV化に対する企業の意識調査では、EV化を「好機」と捉える企業は20・5%にとどまり、「危機」と捉える企業が42・1%と大きく上回った。

 EV化を見据えた成長戦略(複数回答)としては、「自動車以外の分野への進出」(60・0%)、「新しい納入先の開拓」(46・8%)を挙げた企業が多かった。自動車以外の分野に進出すると答えた企業の具体的な進出先は「ロボット産業」(43・6%)、「健康・医療産業」(39・4%)などの人気が高かった。

 しんきん経済研究所の担当者は「ガソリン車の増産が続き足元は忙しい状況だと思うが、将来を見据え、自動車分野で自社の強みを生かすのか、他産業に進出するかなどを考える必要がある」と指摘。浜松信金の担当者は「まずはEV化の影響を受けることを知ってほしい。対応策を一緒に話し合いたい」と話した。

 試算は工業統計などを基に実施。意識調査は昨年十〜十二月に浜松信金と取引がある自動車関連企業四百八十七社を対象に行った。

(伊東浩一)

 

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