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静岡けいざい

ヤマハ発 医療分野強化

◆札幌のベンチャーに5億円出資

提携を発表し握手するヤマハ発動機先進技術本部の藤田宏昭本部長(左)とイーベックの土井尚人社長=東京都内で

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 ヤマハ発動機は三十一日、医療研究分野の技術開発を強化するため、医薬品向けの抗体の作製を手掛けるバイオベンチャーのイーベック(札幌市)に五億円を出資し、技術開発などで提携すると発表した。ヤマハ発が開発した細胞選別装置「セルハンドラー」の性能を磨くとともに、抗体の作製期間を短縮して創薬への貢献を目指す。

 抗体は細菌やウイルスなどの病原体と結合し、体内から除去する免疫の一役を担うタンパク質。二〇〇三年設立のイーベックは、ヒトの血液から抗体を産生する細胞を選んで増やし、作製した抗体を製薬会社などに販売している。これまでは、顕微鏡と先端の細いガラス管を使って手作業で細胞を選別していた。

ヤマハ発動機が昨年開発した「セルハンドラー」=同社提供

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 ヤマハ発がロボット技術を応用して昨年開発したセルハンドラーは、細胞の入った容器から目的の細胞を画像で認識し、ノズルで吸い上げて培養プレートに移すなど選別作業を自動化できる。イーベックの土井尚人社長は「ある抗体は作るのに四十日必要だったが、最短で五日の工程に短縮できる」と効果を見込む。

 一方、セルハンドラーは目的の細胞を固まりで抽出できるが、イーベックでは細胞を一つずつ選別することが必要。このため、画像処理の改良などで選別精度を上げる共同開発に取り組む。ヤマハ発先進技術本部の藤田宏昭本部長は「一つの細胞を選別できる確率はまだ十分ではない。協業を通して100%近くまで上げる」と話した。

 昨年の発表でセルハンドラーを知り、作業の自動化が課題だったイーベック側がヤマハ発に相談。装置の性能向上や医療分野の事業拡大を目指すヤマハ発も、相乗効果が狙えるとして、今回の提携に至った。

目的の細胞を画像認識で自動的に選別して取り出す=同社提供

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 出資は三十一日付。出資比率は23%で、イーベックはヤマハ発の持ち分法適用会社となる。先進技術本部ニューベンチャー事業統括部の白石章二統括部長が同日付でイーベックの社外取締役に就任した。

(山田晃史)

 

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